米マイクロソフトは,10月22~26日に開催した開発者向けコンファレンス「Professional Developers Conference」(PDC)において,Webサービスに関連した開発ツールなどの評価版を配布した。これらは,Webサイトなどで一般向けにも順次公開していく。

 配布したのは,(1)Webサービスの開発支援機能を付加したソフト開発ツール「Visual Studio .NET」と,Webサービス開発用のクラス・ライブラリとランタイム・ソフトからなる「.NET Framework」の製品候補版,(2)マイクロソフトが個人向けに提供するWebサービスである「.NET MyServices」(開発コード:ヘイルストーム)に対応したアプリケーションの開発キット(SDK)の技術プレビュー版,(3).NET MyServicesの機能の1つで,ユーザーにイベントを通知する「.NET Alerts」向けの開発キット(SDK)の技術プレビュー版,(4).NET Frameworkと.NET MyServicesに対応したWebサイト構築ツール「Commerce Server 2002」の技術プレビュー版--などである。

 (1)の.NET Frameworkの目玉は,IIS(Internet Information Service)が持つスクリプト処理機構であるASP(アクティブ・サーバー・ページ)をWebサービスに対応させた「ASP.NET」。これまでのASPは,Webブラウザからアクセスを受けると,Webページを生成して返信するWebアプリケーションを開発するためのもの。これに対しASP.NETでは,引数としてXMLデータを受け取り,その処理結果をXMLデータとして返信するWebサービスを開発できる。ASP.NETでは,これまでのASPと同様に,VBScriptやJavaScriptを使ってWebサービスを開発できる。SOAP(簡易オブジェクト・アクセス・プロトコル)でデータをやり取りする機能や,通常のデータ形式とXML形式を相互に変換する機能などは,プログラマがコードを記述せずに組み込める。

 ASP.NETを使ったWebサービスは,Webブラウザを使って動作をテストできる。IISにインストールしたWebサービスのプログラムをURLで指定して,Webブラウザからアクセスすると,Webサービスが持つメソッドが表示される。引数を入力して,表示されたメソッドをクリックすると,Webサービスの戻り値を確認できる。Visual Studio .NETには,この.NET Frameworkが同こんされる。

 (2)と(3)のSDKは,ECサイトなどのWebアプリケーションやWebサービスに,マイクロソフトが提供するWebサービスである「.NET MyServices」と「.NET Alerts」を利用できるようにするための開発キットである。.NET MyServicesは,ユーザーIDやパスワードのほか,住所や電話番号などの個人情報,PIM(個人情報管理)情報などをインターネット上で一元管理して,パソコンや携帯電話など複数の機器から利用できるようにする個人ユーザー向けのWebサービスである。ECサイトなどは,ユーザーの許可が得られれば,このサービスにアクセスしてユーザーの個人情報などを取得できる。個人情報をWebページ上で入力するといったユーザーの手間を軽減させられる。.NET Alertsは,.NET MyServicesの機能の1つで,PIM情報のなかのスケジュール帳に登録したイベント情報などをユーザーに通知するものである。.NET Alertsは,ECサイトで発生したイベントを通知する場合などに使える。オークション・サイトで,特定の金額以上の入札があった場合に通知するといった具合である。今回のSDKを使うことで,こうした機能をECサイトなどに容易に組み込める。 (K.A.)