NTTコミュニケーションズがOCNのバックボーン強化計画を明らかにした。ADSL(非対称ディジタル加入者線)をはじめとするブロードバンド化の広がりに伴ってトラフィックが急増し続けており,インターネット接続の帯域や接続性を確保すべく,バックボーンを強化する。まず,2001年12月中に東京-大阪間を4.8Gビット/秒に増速する。
今回の強化計画の第1弾は,東京-大阪間のバックボーンと海外接続,大阪でのIX(インターネット相互接続点)接続の増速。東京-大阪間は,従来,1.8Gビット/秒で接続していたが,これを4.8Gビット/秒にする。東京都内,大阪府内のNOC間も4.8Gビット/秒で接続。東京,大阪から国内の各主要都市(札幌,仙台,横浜,東京・立川,名古屋,神戸,広島,福岡)への接続も1.2Gビット/秒に強化する。さらに,東京-大阪間については,2002年春には10Gビット/秒,2002年度中には20Gビット/秒程度と増強していく計画だ。もちろん,こうした増強に伴って,大容量のルーター/スイッチはもちろん,10Gイーサネット,GMPLS(ジェネラライズド・マルチプロトコル・ラベル・スイッチング)などの新技術も積極的に導入していくとしている。
海外接続とIX接続については,主に大阪からの接続の強化である。現状の接続環境では,対外接続性はほぼ東京に集中している。大阪での接続を強化することで,耐障害性を向上させる。具体的な増強の内容はこうだ。まず,海外接続は,同社が買収済みの米ベリオに東京と大阪のそれぞれから接続しているが,このうちの大阪からの接続を1.2Gビット/秒に強化する。東京からの2.4Gビット/秒の接続と合わせて,海外接続の容量は3.6Gビット/秒になる。
IXへの接続は,大阪でのNSPIXP-3への接続を100Mビット/秒から1Gビット/秒にアップグレード。同時に,インターネットマルチフィードが2002年1月に運用を開始する新IX「JPNAP大阪」に1Gビット/秒で接続する。東京ではすでに,NSPIXP-2とJPNAPにそれぞれ2Gビット/秒で接続しているため,他のISPとのプライベート・ピアリングを除いた対外接続は合計で6Gビット/秒になる。これにより,東京側の経路に障害が発生しても,ギガビット/秒クラスの対外接続性を維持できるようになる。(Y.K.)