インターギャラクシーシステムズ(IGX)は,インターネットを介して安全にファイルをやりとりするためのソフト「Satellite Service Server by SOAP(S4)」を6月上旬に販売開始する。ファイアウォールの構成を変えることなく,2つの企業の社内システム間でファイルを暗号化して送受信できる特徴がある。ADSL(非対称ディジタル加入者線)など安価なインターネット回線を使って,安全にファイル転送を利用したいという場合に利用できる。

 従来,インターネットEDI(電子データ交換)などでは,ファイル転送にFTP(ファイル転送プロトコル)を使用するケースが多かった。しかしFTPでは,十分なセキュリティを確保できない,社内システムと連携しづらい--などの問題があった。S4は,これらの問題を改善するソフトウエアである。

 S4は,企業内からインターネットへのHTTP接続を許可している企業であれば,ファイアウォールの構成をいっさい変更する必要がないという点にある。社内ネットワーク側に配置したコンポーネントからSOAP/HTTPを使ってファイルをやりとりする仕様であるため,余分なポートをあける必要がない。導入も容易である。

 S4は,2つのコンポーネントで構成される。(1)ファイルを送信または受信する企業の社内LAN上に設置する“S4 Internal”,(2)ファイルを受信する企業のDMZ(非武装地帯)上などに設置する“S4 External”--である。

 2つのコンポーネントは,次のように動作する。まず,送信側は,送信するファイルをS4 Internalであらかじめ設定しておいたフォルダ上に置く。するとS4 Internalは,相手企業と共通化しておいたルールに従い暗号カギを生成し,ファイルを暗号化する。そのあとS4 Internalは,SOAP/HTTPを使い,相手企業のDMZ上にあるS4 Externalにファイルを送信する。相手企業のLAN上にあるS4 Internalは,定期的にS4 Externalを監視,受信したファイルがあればSOAP/HTTPを使って社内ネットワークに取り込む。ファイルを取り込んだS4 Internalは,暗号化されたファイルを復号化し,社内システムにファイル内のデータを送り込む。ファイル送信時に公開カギを使用したディジタル署名を設定できるようにすることも検討中である。

 社内システムにデータを送り込む前に,S4 InternalでCSV(カンマ区切り値)など特定の形式にファイル・フォーマットを変換することも可能だ。

 S4の稼働環境はWindows2000 Server。価格は150万円程度になると見られる。

 IGXは,専門商社である稲畑産業が3月に設立するIT関連のソフトウエア開発会社。将来的には,稲畑産業が社内導入を進めている,Webサービス技術を利用したSCM(サプライ・チェーン管理)システムをパッケージ化し,販売する計画である。(H.J.)