NECは,800km離れた拠点間でストレージの同期をとる実験をし,通信回線として利用する光ファイバの伝送速度や伝送時の遅延時間を検証したことを,3月25日に発表した。これまでの遠距離間におけるミラーリングは,大きな遅延が発生するために実用的ではなかった。実証実験では,光ファイバを使った広帯域の通信回線を利用することにより,遠距離のミラーリングが十分実用可能であることを確認した。災害などに備え,遠隔地にデータをバックアップしておくことを視野に入れた実験である。

 これまでのATM(非同期転送モード)などを使った遠距離間のストレージのバックアップは,定期的にデータをバックアップ・サーバーに送るバッチ方式か,トランザクションが終了した後でバックアップ・サーバーと同期するといった方式がほとんどである。ミラーリングのように,バックアップ・サーバーにデータが書き込まれたのを確認してトランザクションを終了する同期方式は,回線の遅延が大きく,実用的ではなかった。同期方式では,遠距離といっても200kmが限界とされてきた。

 今回の実証実験では,グローバルアクセスの2.5Gバイト/秒の光ファイバと,イーエムシー ジャパンのストレージ機器を利用した。実験の結果,800kmでの回線遅延は12ミリ秒であり,十分実用に耐えうることがわかった。光ファイバを使えば,800km離れた拠点間でシステムの同期バックアップが可能である。しかも,ATMよりも回線料金は安くすむ。例えば,ATMメガリンクの135Mビット/秒のサービスを32本,東京と大阪間で5年間利用した場合の回線料金は113億円。それに対し,光ファイバでは2.5Gビット/秒のサービスで6億円ですむという。