KDDIはWebコンテンツを高速に配信する「Webアクセラレーションサービス(仮称)」の試験サービスを6月から提供する。コンテンツ・ホルダー向けのサービスである。KDDIのバックボーンに直結したデータセンターにキャッシュ・サーバーを置き,コンテンツ・ホルダーのWebコンテンツをキャッシュして配信する。KDDIのバックボーンを経由するため,高速に配信できる。8月まで試験的に提供し,その後本格サービスとして提供する予定である。

 Webアクセラレーションサービスでキャッシュするのは,静的コンテンツのみ。SSLで通信する場合も,コンテンツをキャッシュしない。Webサイトごとに帯域を確保して配信するため,ほかのWebサイトのアクセス増などによる影響はなく,高速に配信できる。トライアルに参加するコンテンツ・ホルダー向けには,キャッシュ・サーバーから配信したデータ量や,ヒット数,応答性能などがわかるレポート公開する。Webブラウザを使って見ることができる。また,キャッシュ・サーバーのログ・ファイルも公開する。コンテンツ・ホルダーがキャッシュ・サーバーからダウンロードし,ログ分析ツールなどに取り込んで活用できる。

 試験サービスは,6月,7月,8月の3回に分けて1カ月ずつ実施する。期間ごとに10サイトずつモニターを募集する。参加費用は無料である。ただし,その期間のWebサイトのトラフィック情報をKDDIに開示する必要があるほか,アンケートへの回答が義務付けられている。(T.F.)