ヤマハは5月16日,VoIP(IP網を使った音声通信)に対応するブロードバンド・ルーター「NetVolante」シリーズの新製品を発表した。両機種ともADSLモデムなどと接続するLANポートに加え,ISDNまたは一般電話回線に接続するポートを持つ。ISDNや一般電話回線はVoIP以外の通話に利用する。ISDN回線に対応する「RTA55i」が5月下旬,一般電話回線に対応する「RT56v」が7月下旬の出荷。両機種ともオープン・プライス。

 VoIPによる通話は,NetVolante同士で可能。音声通話には,SIP(セッション開始プロトコル)を使い,無圧縮(64kビット/秒)でデータを送る。RTA55iには2ポート,RT56vは3ポートの電話機用ポートを備える。電話機は一般の市販製品を利用する。

 インターネットを介しての通話は,RTA55iまたはRT56vに割り振られた8ケタのユニークな電話番号と,この電話番号とIPアドレスを結びつけるダイナミックDNSサービス(ネットボランチDNSサービス)をヤマハが提供することで可能になっている。ユーザーが電話機で「##」を頭に付けた8ケタの電話番号をダイヤルすると,ルーターがそれを「87654321.tel.netvolante.jp」といったアドレスに変換,ダイナミックDNSサービスに問い合わせる。そして,通話先のルーターのグローバル・アドレスを得て,通話が可能になる。

 ネットボランチDNSサービスは,RTA55iや56vに接続したマシン同士でVPN(仮想プライベート・ネットワーク)を設定するときにも利用できる。任意の文字列を含む「sample.aa0.netvolante.jp」といったURLを取得して利用する。ヤマハは,ほかのRT/RTAシリーズでネットボランチDNSサービスを利用できるようにするファームウエアの配布も,5月16日に開始した。

 このほか,暗号化形式にRC4を使ったPPTP(ポイント・ツー・ポイント・トンネリング・プロトコル)によるVPN,NAT(ネットワーク・アドレス変換),IPマスカレード,パケット・フィルタリング,IPv6対応,不正アクセス検知といった機能を備える。スループットは,両機種とも12Mビット/秒。2002年第3四半期をめどに,UPnP(ユニバーサル・プラグ・アンド・プレイ)対応にするファーム・ウエアを提供する予定である。(Y.Y.)