ウイルス対策ソフトを開発している各社は米国時間で6月13日,JPEGファイルを介して感染する新たなコンピュータ・ウイルス「W32.Perrun」について警告を発した。このウイルスは,JPEGファイルを開いただけでは感染などの被害をもたらさない。しかし今後,このウイルスで使用された技術が凶悪なウイルスなどに悪用される危険があり,注意を要する。画像ファイルを開いてもウイルス感染しないという“常識”が覆される可能性も出てきた。

 W32.Perrunは,2つの部分で構成されている。ウイルスの実体を含んだJPEG画像と,その画像からウイルス・プログラムを取り出してほかのJPEGファイルに感染させる抽出プログラム(extrk.exe)である。現段階ではウイルス・プログラムを含んだJPEGファイルは正常に表示されないなど,発見は比較的容易であるという。しかし,電子透かし技術を悪用すれば,ウイルス・プログラムを埋め込んでも正しく画像ファイルとして処理することも可能になる。抽出プログラムを実行しなければ,JPEGファイル内に隠されたウイルス・プログラムが起動することもないので,ウイルス対策ソフトのベンダー各社は危険度を「低」としている。

 なお,このウイルスは,制作者自らがウイルス対策ソフトのベンダーに送って警告したもので,実際にインターネット上での被害が確認されているわけではない。(H.J.)