米インクトゥミは7月17日,コンテンツ・ネットワーキング・グループの事業を縮小する方針を明らかにした。具体的には,キャッシュ・サーバー製品事業である。大手ユーザーになると想定していた通信事業者やISPが事業に行き詰まりを見せているため,市場に広がりがないと判断した。今後は,Webサイトや企業内システム向けの検索エンジンにフォーカスする。

 縮小の対象になるのは,キャッシュ・サーバーの「Traffic Server」やコンテンツ・デリバリ・ネットワーク向けの「Content Delivery Suite」,ラスト1マイルのコンテンツ配信を高速化する「Personal Edge」など,コンテンツ・デリバリ・ネットワーク(CDN)向けの製品群。CDNはインターネット上にキャッシュを分散配置し,エンドユーザーに対して最寄りのキャッシュからコンテンツを提供する仕組み。Webアクセスを高速化できる。

 もちろん,キャッシュ・サーバーは一般企業ユーザーが利用する場合もある。ただ,通信事業者やISP,CDN専業のサービス・プロバイダと比べると,企業向けの市場は圧倒的に小さく,需要も高くない。CDN製品を提供する競合ベンダーのなかには,eラーニングなど企業内のリッチ・コンテンツ配信向けに,eCDN(エンタープライズCDN)を提案する傾向も見られる。ただ,eCDNの市場もまだ立ち上がっているとは言えないのが実情である。

 これに対して,同社がWebサイト向けに提供している検索エンジンの市場は堅調。例えば米マイクロソフトのMSNなどには,エンドユーザーからの検索要求(クエリー)ごとに課金しているうえ,クエリー数自体が増えているため,収益も着実に増える傾向にあるという。さらに,最近は企業ポータルなどでの検索エンジンのニーズが高まりつつあり,同社は,企業向けの「Enterprise Search」の市場の伸びを期待している。
(Y.K.)