日本テレコムは,昨年7月から提供していた音声ポータル「Voizi」の試験サービスを,企業向けの商用化した。Voiziは,ユーザーが音声で入手したい情報を指定すると,Webから情報を引き出してきて音声合成を使って読み上げてくれるサービスである。今回始めたのは,企業向けの「Voizi Enterprise Solution」サービスである。音声通話で,顧客が情報を入手したり,従業員が出先から社内ネットワークにある情報を引き出したりできるようにする。

 Voiziでは,VoiceXMLというXMLをベースにした言語を使って対話の流れを記述する。VoiceXMLはW3C(WWWコンソーシアム)が策定した標準技術であるため,VoiceXMLが普及すれば,音声サービスを移行したり統合したりしやすくなる可能性がある。

 Voizi Enterprise Solutionでは,2種類のソリューションを用意した。1つは,企業が顧客に対して音声で情報を提供できるようにする「セルフサービスソリューション」で,コールセンターでオペレータが対応する業務を効率化できる。もう1つは,従業員が出先などから電話で社員情報の入手や勤務時間の入力などができる「業務支援ソリューション」である。ソリューションの利用料金は個別見積もりで,初期費用が200万円から,月額料金が12万円からとなっている。

 パッケージ・サービスも提供する。日本テレコムが一例として挙げているのが「勤務管理パッケージ」である。社員が出先から音声で勤務時間を入力して日本テレコムのデータセンターに設置したデータベースに蓄積。上司がインターネットを使って入力された勤務データを確認できるというものだ。勤務管理パッケージ・サービスの利用料金は,初期導入費用が23万6000円,月額料金が8万8000円など。(Y.Y.)