ベンチャ企業のイチレイヨン(本社・東京)は9月,LDAP(簡易ディレクトリ・アクセス・プロトコル)に準拠したディレクトリ・サーバー「Xme LDAP1.0」の販売を開始した。ディレクトリ・データベースをオンメモリーで管理するため,検索や更新を高速に実行できる。

 Xme LDAP1.0の基盤になっているのは,同社が開発したオンメモリー・データベース「Xdb」である。ボトルネックになりがちなハード・ディスクへのアクセスを省いたことで,検索では1秒間に5500件,更新では1秒間に3200件を処理できるという(いずれも,Pentium4 2.4GHzのマシン上にRed Hat Linux 7.1を運用している場合の実測値)。オープン・ソースのディレクトリ・サーバーとして普及している「OpenLDAP」と比べると,「20倍近い性能を発揮できる」(CTOでシステムアーキテクトの水野 善郎氏)。

 高速なディレクトリ・サーバーが必要になるのは,例えばWebシステムにアクセス制御機能を持たせる場合。アクセス制御を実現するには,エンドユーザーからアクセス要求があるたびに,そのユーザーからのそのコンテンツに対するアクセスを許可していいかどうか,ユーザーの属性や権限を参照する必要がある。このため,アクセス数が増えると,ユーザー・プロファイルや制御ルールを一元管理するディレクトリ・サーバーの負荷が高まりやすくなる。これをさばくために,高速なディレクトリ・サーバーが必要になる。

 Xme LDAP 1.0では,停電時などにもデータが消えないように,ディスクへのディレクトリ・データのバックアップ機能を搭載する。データの全体を保存/復元できるほか,更新した差分データだけを定期的にバックアップすることも可能。耐障害性を高めるために,負荷分散機能も実装した。同じディレクトリ情報を持つLDAPサーバーを最大32台まで管理し,負荷を分散させられる。既存のディレクトリ・サービスから移行しやすいように,ディレクトリ・データをまとめて抽出するツールも用意。米IBMの「SecureWay Directory」用と,米オラクルの「Internet Directory」用の2種類がある。抽出したデータは,Xme LDAP1.0にまとめて取り込める。

 ディレクトリ・データをメモリー上に格納する都合上,ディレクトリに格納できるユーザー・プロファイルなどの件数(エントリ数)は,メモリーの最大積載量に依存する。稼働環境は,AIX5.1L,Red Hat Linux 7.1/7.3。今後,hp-uxのサポートも予定する。価格は,エントリ数によって異なる。2000~1万9999件の場合は,1エントリあたり400円。2万~19万9999件の場合は同300円。20万件以上の場合は同200円。(H.J.)