米アンプリファイネットは,9月13日,低価格のリンク・ロード・バランサを,世界に先駆けて日本で発売した。「iSurfJanus-CX」というセットトップ・ボックス大のアプライアンス製品である。主にISPや通信事業者に向けて提供。ISPなどからユーザーにレンタルするモデルを想定している。出荷は10月1日。

 リンク・ロード・バランサは,複数のアクセス回線を使ってインターネットに接続するマルチホーミング向けの専用装置。インターネットへのトラフィックを複数のアクセス回線に分散させる装置である。このアプライアンスを導入すれば,ルーティング・プロトコルなどの高度な知識がなくても,手軽にマルチホーミング環境を実現できる。マルチホーミングを実現することで,ユーザーは安価に広帯域化を図れるうえ,ネットワークの耐障害性を向上させられる。最近は,ADSL(非対称ディジタル加入者線)など安価なサービスが増えたため,多くのユーザーにマルチホーミングが身近になっている。

 ただ,リンク・ロード・バランサは,1台数百万円という製品がほとんどで,サービス・プロバイダや大手のEC(電子商取引)サイトなどでなければ,手が出ないのが実情。そこでアンプリファイネットはリンク・ロード・バランサの低価格化戦略を進めている。同社は,従来から「iSurfJanus-RX」という製品を販売している。トラフィック分散を重み付きラウンドロビンという比較的単純な方式で実現し,接続できるアクセス回線を3回線までに抑えたことで,国内では69万円という定価を実現した。

 ただし,企業の小規模な拠点やSOHOを想定すると,この価格でもまだ高い。そこで同社が考えたのが,ISPなどからユーザーへのレンタルのモデル。こうすれば,小規模な拠点でも,月々の費用だけで手軽にマルチホーミングを実現できるようになる。CXは,イーサネット・ポートを2つ装備し,2本のWAN回線を束ねられる。2回線を合わせたスループットは下り方向が10Mビット/秒。重み付きラウンドロビンによるトラフィック分散が可能なほか,DNS(ドメイン名サーバー)機能を持ち,外部から社内へのインバウンド・トラフィックの分散も可能になっている。RXに搭載されているファイアウォール機能などは,CXではオプション扱い。メーカーの希望価格は31万円,VPN(仮想プライベート・ネットワーク)機能を持つCX-VPNは50万円。この価格からすると,ISPによるレンタルの料金は,月額数千円程度になりそうだ。
(Y.K.)