アドビ システムズセイコーインスツルメンツ(SII),日本オラクル日本ボルチモアテクノロジーズの4社は,電子文書のセキュリティを高めるための基盤システムを共同で開発する。ディジタル署名とその検証,文書の存在証明,長期保管(アーカイビング)などの機能を実現する統合システムである。2002年末にも製品化し,システム販売のほか,ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)としてのサービス提供も計画している。

 ディジタル署名は,文書の改ざんを防止するための仕組み。公開カギ暗号をベースにした仕組みで,文書データのハッシュ値(メッセージ・ダイジェスト)を,文書作成者の秘密カギを使って暗号化し,文書データに添付する。2001年4月に「電子署名法」が施行され,ディジタル署名が,実印と同様の法的効力を持つようになった。ただ,実際のビジネスで契約書や決済書類などをやり取りする場合,署名の検証やある時点で確かにその文書が存在したことの証明といった仕組みが必要になる。印鑑証明や内容証明にあたる仕組みである。そこで,4社はこうした基盤を実現するためのシステム開発に乗り出した。

 基盤システムには,4社それぞれがすでに開発済みの技術/製品を統合する。ディジタル署名機能を搭載したアドビの「Adobe Acrobat 5.0」,SIIの時刻認証サービス「クロノトラスト」とタイムスタンプ技術,日本オラクルのOracle9iベースの電子文書保管技術「Oracle Internet File System」(Oracle 9iFS),そしてボルチモアのPKI(公開カギ暗号基盤)技術である。各社の製品/技術のインテグレーションはボルチモアが手掛ける。(Y.K.)