エフストリームは11月26日,ネットワークに接続された複数のストレージ機器をとりまとめ,仮想的な1台のストレージ機器として扱えるようにするストレージ/ファイル管理システム「Multimedia Virtual File System(MVFS)」を開発したと発表した。物理的なストレージを追加することで,理論上は無限に論理ディスクの容量を拡張できるなどの特徴がある。三菱総合研究所三菱電機情報ネットワークと共同でシステムを販売するほか,両社のデータセンターを通じてネットワーク経由でMVFSのストレージを提供するサービスも始める。価格は個別対応。

 MVFSは,複数のSAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)やNAS(ネットワーク・アタッチド・ストレージ)などをまとめ,論理ディスクを構成できる。ユーザーやアプリケーションが論理ディスク上にファイルを書き込もうとすると,MVFSが空きのある物理的なストレージ機器を探してデータを書き込む。書き込んだファイルにアクセスする場合も,MVFSが自動的に該当するストレージ機器からデータを取り出し,ファイルとして提供してくれる。こうした仕組みにより,ディスクの空き容量が不足してきた場合でも,物理的なストレージ機器を追加し,論理ディスクに割り当てるだけで空き容量を拡張できる。

 MVFSでは,ストレージの所在情報や保存しているデータの情報などを,日本エクセロンのオブジェクト・データベース製品「ObjectStore」上で管理する。これらの情報はディスクに保存するだけではなく,メモリー上にもキャッシュするため,ファイルに高速にアクセスできる。アクセス数が増大した場合でも,複数台のサーバー・マシンでObjectStoreを負荷分散させることにより,性能の劣化を抑えられる。

 MVFSには,エクスプローラ風の専用クライアント・ソフトが付属する。クライアント・ソフトでは,ファイル属性やアクセス権限の設定,ファイルのバージョニング管理,複数ファイルのグループ化,ローカル環境でのファイルのキャッシュ--などの機能を利用できる。クライアント・ソフトとMVFSのサーバー・マシンとの間はHTTPで通信するため,インターネット経由でファイルにアクセスすることも可能である。部署やユーザーごとに,使用できるディスク容量を制限する機構も備える。

 エフストリームは,MVFSを利用したストレージ提供サービスも開始する。三菱総合研究所や三菱電機情報ネットワークが共同で運営するデータセンターに置いたストレージを100Gバイト単位でユーザー企業に提供する。ユーザー企業は,専用線,WAN(広域ネットワーク),インターネットVPN(仮想プライベート・ネットワーク)などを使ってデータセンターに接続し,ストレージを利用することになる。(H.J.)