シヤチハタソランワコム日商岩井マジックソフトウェア・ジャパンは,印鑑にICチップを埋め込み,チップ内のIDを使って認証する「電子印鑑システム」を2003年1月にも発売する。これら5社は,電子印鑑コンソーシアムを設立してこのシステムを開発し,2002年7月から岡山県新見市役所で実証試験をしていた。

 電子印鑑システムは,使い勝手を考慮し,通常の印鑑と同じ形状をしたものにICチップを埋め込んでいる。小さなボタンが付いており,専用のタブレットの上でそれを押すと,暗号化したIDを「電子印鑑統合認証サーバ」に送信し,認証する。専用のタブレットには,ワコムが開発した電磁誘導方式タブレットを使う。この仕組みを使うことで,ユーザー認証機構などを構築できる。申請された書類を承認するといったこれまで紙ベースだった業務を電子化する場合のほか,Webアプリケーションでユーザー認証する場合などにも利用できる。

 電子印鑑に埋め込んであるチップのIDは4億通り以上ある。どのIDの印鑑はどのユーザーが使っているかは,電子印鑑統合サーバで管理しておき,IDが送信されてきたらそれがどのユーザーかを確認し,認証する仕組みである。IDは独自方式で暗号化して送信するため,漏えいの危険性は少ない。

 サーバー側には,あらかじめDLL(ダイナミック・リンク・ライブラリ)あるいはOCX(OLEベース・コントロール・エクステンション)のプログラムを導入し,アプリケーションから呼び出すようにしておく。たとえば,Webブラウザ上に決済書類を表示しておき,電子印鑑で認証すると,認証した印鑑の印影をWebブラウザ上の書類に表示するなどのシステムを構築できる。

 このシステムは,ICカード認証や指紋認証になじめない企業向けの製品である。「これまでの業務と同じ感覚で利用できるため,年配の方にも使いやすい」(マジックソフトウェア・ジャパン ソリューション事業部営業部長の末広 慎司氏)という。

 電子印鑑を利用できるクライアントOSはWindows 98/Me/2000/XP。電子印鑑統合認証サーバはWindows 2000 Serverに対応し,価格は150万円程度。2003年3月にはMiracle Linuxにも対応する予定である。PC側に必要な電子印鑑と専用タブレットは,合わせて1万3000円程度になる予定である。(T.F.)