喫茶店とショット・バーの店舗を展開しているプロントコーポレーションは2003年1月下旬にも,無線LANを使ったインターネット接続サービスを開始する。事前の会員登録などは不要で,入店すれば誰でも利用できる。まず都内の6店舗(八重洲,神谷町,豊洲,赤坂,カレッタ汐留,リナックスカフェディプロント秋葉原)と大阪市内の2店舗(心斎橋筋,大阪ビジネスパーク)の計8店舗で開始,以降サービス提供店舗を増やしてゆく。

 インターネット接続にはNTT-MEの「NeoMobile」と同じ環境を利用する。2003年3月ころまでは実証実験とし,店舗で飲食をするユーザーに,インターネットを利用できるID入りのチケットを無料で配布する。実験終了後は,コーヒーの回数券などにIDを入れておき無線LANアクセスを顧客向けの無償のサービスとすることや,無線LANアクセス・サービスを単独で有償のサービスとして提供することなど検討しているという。

 チケットに印刷されたIDをプロントが用意するサービスのWebサイトで入力すると,60分間インターネットを利用できるシステムを導入した。インターネットを使い始めて40分が経過したときと50分が経過したときに,ユーザーのPCにダイアログを表示して経過時間を通知する。

 赤坂と秋葉原の2店舗では,店内にプリンタを設置してのプリント・サービスも提供する。パスワード認証を経てプリンタから出力するのが特徴である。出力した用紙の取り違えなどを防げる。ユーザーのPCで印刷操作をすると,PC画面上に,用紙を出力させるためのパスワードが表示される。このパスワードをプリンタ付属の入力装置などに入力すると,出力されるしくみである。プリンタのドライバ・ソフトは,サービスのWebページで配布する。出力後,自己申告で枚数に応じたプリント料金を支払うようにする予定だが,実証実験中は無償とする。プロントはこのほか,店内でのコンテンツ配信なども計画している。(Y.Y.)