米サン・マイクロシステムズは米国時間で2月10日,同社としては初のブレード型きょう体を採用したサーバー製品群「Sun Fire Blade Platform」を4月下旬に出荷すると発表した。これに伴いサンは,複数台のブレード・サーバーを仮想的に1台のサーバーであるかのように見せ,運用管理の手間を軽減するソフトウエア製品「N1 Provisioning Server 3.0 Blades Edition」の提供を開始する。N1 Provisioning Serverは,サンが2002年9月に発表したデータ・センター向けの新構想「N1」に基づく最初の製品である。

 Sun Fire Blade Platformは,ブレード・サーバー「Sun Fire B100s」,B100sを格納する専用きょう体「Sun Fire B1600」,ストレージ「Sun StorEdge 3310 NAS」などで構成する。B100sは,CPUがUltraSPARC IIi 650MHzで,OSにはSolaris 8を採用した。サンのJ2EE(Java2プラットフォーム,エンタープライズ版)準拠のミドルウエア「Sun ONE」の製品群が,あらかじめ搭載されている。具体的には,「Directory Server」「Web Server」「Application Server」「Portal Server」「Grid Engine」である。

 B1600は3U(高さ132mm)サイズのきょう体で,B100sを最大16台まで格納できる。サンは2003年4~6月以降に,x86版のブレード・サーバー(OSはSolarisとLinuxを選択可)と,負荷分散やSSL(セキュア・ソケット・レイヤー)などの特定用途に特化したブレード・サーバーを発売する予定で,1台のB1600にはそれらを混在させることができる。

 N1 Provisioning Server 3.0 Blades Editionは,N1構想に基づく最初の製品である。複数台のブレード・サーバーを仮想的に1台のコンピュータとして運用管理できるようにする。利用すると,サーバーの設定,コンテンツやアプリケーションの展開といった操作を,個々のサーバーに実行する必要がなくなる。ブレード・サーバーを運用管理する手間が大幅に減る。

 N1 Provisioning Serverには,Webサーバーやアプリケーション・サーバーの運用管理に必要な機能だけを搭載する。例えば,あるWebサーバーにアクセスが集中した場合には,N1 Provisioning Serverがそれを検知し,負荷が低いブレード・サーバーに同等のWebサーバーを立ち上げ,アクセスを振り分けるといった機能がある。必要なソフトウエアやコンテンツなどは,N1 Provisioning Serverが自動的にインストールする。ソフトウエアやコンテンツは,あらかじめ仕様に合わせてパッケージ化しておく必要がある。

 N1 Provisioning Serverは,ブレード・サーバーに搭載したエージェント・ソフトと,管理用サーバーが連動して動作する仕組み。エージェントを組み込んだブレード・サーバーをネットワークに追加するだけで,自動的にN1 Provisioning Serverの管理対象として組み込まれる。サンのブレード・サーバーであるB100sには,エージェントがあらかじめ搭載されている。

 米国での発表を受けて,日本法人であるサン・マイクロシステムズは2月12日にSun Fire Blade Platformの発売を発表した。米国と同様に4月下旬に出荷する。価格は,B100sは27万2000円,B1600は72万8000円。B100sとB1600を1台ずつ組み合わせた最小構成の価格が100万円になる。3310 NASは182Gバイトのモデルで380万円。ただし,N1 Provisioning Server 3.0 Blades Editionの発表は見送られた。ソフトウエアやコンテンツを特定の形式でパッケージ化するといった導入/運用のコンサルティング体制の整備に時間をかけているためだ。

 N1は,データセンター内や企業内に多数あるサーバー,ストレージ,ネットワーク機器といった資源を仮想的な1つのシステムとして扱えるようにするという構想。実現すれば,アプリケーションの負荷に応じて資源を動的に割り当てるといった運用が可能になる。資源の利用率を向上させられるうえ,データセンターやユーザー企業の管理者がシステム運用にかける負荷を減らせる。サンは当面,N1を3段階に分けて進める計画で,今回のN1 Provisioning Serverの発売は第1段階に当たる。第2段階では,データベース・サーバーの運用管理を簡易化する。2004年の第3段階では,管理者が設定したポリシーに基づいて各サービスのQoS(サービス品質)を保つ仕組みなどを取り入れる。こうした基本的な仕組みが整った後,企業間やデータセンター間でサーバー管理を効率化する機能を取り込んでいく計画だ。(H.J.)