富士通パレックスは,電子メールの配信,およびその効果測定までが可能な電子メール配信システム「ActionMessage」を2003年2月19日に販売を開始した。特徴は,1時間当たり30万通の電子メールを配信できること。富士通パレックスによれば,「配信性能は,従来システムの約3倍になる」という。同社は,このシステムを使ったASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)サービスも提供する。

 毎時30万通の配信を実現するには,CPUに1.8GHzのXeon(×2)および1024Mバイトのメモリーといったスペックのハードウエアが必要。回線帯域は100Mビット/秒程度あれば十分だという。

 ActionMessageは,配信先のフィルタリングやメール内容のパーソナライズの機能などを備える。フィルタリングでは,配信先リストから,一定の条件に合ったユーザーだけを抽出し,そのユーザーだけに電子メールを送ることができる。たとえば,「東京に住む20代の男性だけに配信する」といったことが可能である。パーソナライズでは,ユーザーの属性情報に応じた文章を挿入できる。たとえば,あるユーザーの誕生日にメールを配信する場合,「~様。誕生日おめでとうございます」といったメッセージを挿入することが可能。

 電子メールの形式として,テキスト・メールやHTMLメール,携帯電話向けメールに対応。音声や動画を利用したメールの配信もできる。効果測定は,ユーザーの開封確認や開封率,電子メール内のコンテンツのクリック率などをグラフなどで表示してくれる。開封確認や開封率についてはHTMLメールでのみ測定できる。HTMLメールに透明なGIF画像を埋め込んでおき,そのメールを開くと画像がダウンロードされるため開封したことがわかる。クリック率については,HTMLメールとテキスト・メールの両方で測定可能。クリック先のサイトには,ActionMessageサーバーをいったん介してアクセスするようになっており,そのサーバーに記録されたアクセス・ログからクリック率を計測する。フィルタリングなどの配信の設定や効果測定の閲覧はWebブラウザ上で行う。

 パッケージ販売およびASPサービスの形態で提供する。パッケージの場合,980万円から。ASPの場合,初期設定費用10万円,月額利用料が5万円(配信先アドレス数が1万まで)から。(H.O.)