米BEAシステムズは米国時間で3月3日,基盤製品の新バージョン「WebLogic Platform 8.1」の機能詳細を明らかにした。新バージョンでは,Webサービス・システムの構築,既存システム同士の連携,ユーザーのワーク・フロー記述,ポータル・システム構築,ビジネス・ロジックの記述--といった開発作業を,1つの画面上で実行できる。また,XML(拡張可能マークアップ言語)技術の普及/啓もう団体であるOASIS(構造化情報標準推進機構)が標準化している,Webサービスに必要なセキュリティ仕様「WS-Security」をサポートした。

 WebLogic Platform 8.1は,Webシステムの構築と統合に必要なソフトウエア群を1つにパッケージ化したもの。具体的には,(1)J2EE(Java2プラットフォーム,エンタープライズ版)1.3準拠のアプリケーション・サーバー「WebLogic Server8.1」,(2)複数の既存システムを統合または連携させられる「WebLogic Integrator8.1」,(3)ユーザー属性に合わせて複数システムの画面を1つにまとめて表示できる「WebLogic Portal8.1」,(4)統合開発ツールである「WebLogic Workshop8.1」を含んでいる。

 8.1で大きく変わった点は,大きく2つ。1つは,これまで製品ごとにバラバラに提供されていた開発支援機能を,WebLogic Workshop8.1に一元化したこと。もう1つは,セキュアで信頼性の高いWebサービス・システムを構築するための機能を強化したことである。

 WebLogic Workshop8.1では,システム全体を構築/連携/テストする機能を備えた。例えば,既存のデータベース,Javaアプリケーション,.NETシステムなどを「コントロール」と呼ぶアイコンで抽象化し,それらを矢印で結んでいくだけで,システム間の連携手順/ワーク・フローを定義できる。従来はIntegratorで提供されていた機能をWorkshopに引き継がせた格好である。Workshopに統合することで,Webサービスと社内アプリケーションのインタフェースの対応付けが容易になり,社内システムの変更に柔軟なWebサービス・システムを構築できるようになる。

 また,セキュアで信頼性の高いWebサービス・システムを構築するための機能も搭載した。SOAPを使ってXMLデータをやりとりするときに,PKI(公開カギ基盤)ベースの証明書を付加してメッセージ・レベルで認証する,暗号化して伝送路上での盗み見を防ぐ,ディジタル署名を付加して改ざんを検出可能にする--といったことが可能になる。こうした処理は,WS-Securityの仕様に基づいて実装した。また,SOAP通信の信頼性を高める機能も搭載した。例えば,SOAPメッセージを確実に相手に届けることができる。この機能を使えば,複数のSOAPメッセージを相手に送る場合に,相手に届く順番を保証することが可能になる。こうした機能は,SOAPメッセージを受け取っている最中に相手がダウンした場合や,相手がダウンしている間にSOAPメッセージを送ろうとした場合にも,最終的に確実に相手に意図した順序でメッセージを送るために必要になってくる。特に,見知らぬ企業のシステムと連携する可能性があるWebサービスでは,相手システムがどのようなエラー制御機構を備えているかわからないこともあるため,メッセージの順番を保証するような機能が重要になることも多い。

 製品価格は未定。製品出荷は2003年夏ごろの予定である。開発途中の初期評価版を同社のWebサイトから入手できる。(H.J.)