米センティリアム・コミュニケーションズは,下りで最高50Mビット/秒,上りで最高3Mビット/秒で通信できるADSL(非対称ディジタル加入者線)技術「eXtreamDSL MAX」を開発した。使用する周波数帯域を2~4倍に広げたり,1つの搬送波で伝送するデータ量を増やしたりすることで高速化を図った。

 eXtreamDSL MAXはいくつかの技術要素から成り立っており,サービス事業者などがそれらを選んで使う。目玉は,下り通信に使う周波数帯域を,138kHzから3.75MHzに拡張した「MAX-QS(Quad Spectrum)」である。現在多くのADSLサービスで利用されているG.992.1では,138kHzから1.1MHまでを使う。これに比べると,MAX-QSでは約4倍の帯域を使う。さらに,現状のADSLでは1つの搬送波あたり1回の変調処理で15ビットまでのデータを伝送するが,「MAX-HBL(High Bit Loading)」技術では,18ビット程度まで増やせる。これら2つの技術を組み合わせると,下りの通信速度を最高50Mビット/秒まで高められる。MAX-QS,MAX-HBLはITU-T(国際電気通信連合電気通信標準化部門)で標準化されていない技術だが,今年10月に開催する会合で提案する予定であるという。

 上りの通信速度を高める「MAX-EU(Extended Upstream)」もある。上り通信に2.5kHzから276kHzまでの周波数帯域を使う,いわゆるダブル・スペクトラムである。従来下り通信で使っていた周波数帯域の一部を上りに割り当て,下り通信には276kHz以上の周波数を割り当てるようにする。これにより,上りの通信速度は最高3Mビット/秒になる。このほか,eXtreamDSL MAXには,ダブル・スペクトラムを使って下り通信を最高24Mビット/秒にする「MAX-DS(Double Spectrum)」,伝送距離を伸ばす「MAX-LR(Long Reach)」という技術も含まれる。(T.F.)