シスコシステムズは6月3日,無線LAN技術(IEEE802.11b)を使って通信するIP電話機「Cisco無線IP電話7920」を発表した。7月から販売する。携帯電話型で,主に,企業や工場などの内線電話向けである。WEP(有線同等プライバシ)による暗号化機能やIEEE802.1x/LEAP(簡易拡張可能認証プロトコル)を使ったユーザー認証機能を備える。
7920を使うためには,IP電話用のPBX(構内交換機)機能を持つ「Cisco CallManager」(CCM)を別途購入し,サーバーを構築する必要がある。CCMは,7920IP電話機の内線番号とIPアドレスを把握し,発呼の制御をする。プロトコルとしては,「Cisco Discovery Protocol」(CDP)というシスコの独自技術を使う。このため,SIP(セッション・イニシエーション・プロトコル)などを使うIP電話機やIP電話サービスとは接続できない。ただし,SIPについては,今後対応する予定。
7920は形状が携帯電話型であるだけでなく,機能的にも携帯電話に近いレベル。ボイス・メッセージを録音できるほか,発着信履歴や短縮ダイヤルの機能も持つ。バイブレーション機能もある。価格は1台当たり8万5000円。ほかに,CCMを利用するためのクライアント・ライセンス料が1台当たり2万1000円かかる。(T.F.)