ノキア・ジャパンはSSL-VPN装置「ノキア Secure Access System」を7月2日に発売した。クライアントPCに専用ソフトをインストールしなくても,セキュアなリモート・アクセスが可能になるSSL-VPNを構築するためのアプライアンスである。特徴は,クライアントPCの環境を調べ,それに応じてアクセス制御する「クライアント・インテグリティ・スキャン」という技術を搭載している点である。
SSL-VPNは,WebブラウザのSSL機能を利用してセキュアにリモート・アクセスするための技術。自宅や外出先から社内システムを利用する場合などに利用する。システム管理者は,Secure Access Systemを,DMZ(非武装セグメント)に設置。Webサイトから配信したJavaアプレットをクライアント上で実行させると,JavaアプレットがさまざまなパケットをSSLで暗号化する。Webブラウザだけあればよく,クライアントに専用ソフトをあらかじめインストールしておく必要がない。
Secure Access Systemの特徴は,クライアント・インテグリティ・スキャンという技術を搭載し,クライアントの状態を調査できる点。クライアント上のJavaアプレットが,そのクライアントのディスク上のファイルなどを調べる。ウイルス・チェック・ソフトやパーソナル・ファイアウォールなどを導入していないクライアントなどからのアクセスを拒絶するなどの用途がある。
出荷は7月下旬から。価格は同時10セッションで61万5000円,同時100セッションで341万円,同時500セッションで755万円。いずれも初年度のサポート料金を含んでいる。(T.F.)