日本IBMは8月20日,J2EE(Java2プラットフォーム,エンタープライズ版)準拠のWebアプリケーション・サーバーの新バージョン「WebSphere Application Server V5.0.2」(WAS5.0.2)を出荷した。ほかの開発環境で実装したWebサービスと容易に相互接続性できる点が特徴である。

 WAS5.0.2では,Webサービスの実装/運用ガイドライン「Basic Profile Version 1.0a」に準拠した。このガイドラインは,アプリケーション・サーバーや開発ツールなどによらず,異なるシステム間で容易にWebサービスを呼び出せるようにするために考案された。米国時間の8月12日に,Webサービス技術の相互接続性を確保するための業界団体であるWS-I(Webサービス・インタオペラビリティ)が策定した。

 Webサービスでも,ほかの技術と同様に,ベンダーによる技術仕様の解釈のズレなどに起因して,うまく接続できない場面があった。例えば,Webサービスの機能を呼び出すときに想定するXMLメッセージの形式が微妙に異なったり,エラー情報の返し方が違っていたりして,受信側で受け取ったXMLメッセージを書き換えてから処理するといった作り込みが必要になるケースがあった。Basic Profileでは,どのようなXMLメッセージを送ればいいのか,エラー情報をどう返すか--といったアプリケーション・レベルのルールも規定している。このため,Basic Profileに準拠しているもの同士ならば,作り込みなどの手間をかけずに接続できる可能性が高い。

 WAS5.0.2では,XMLデータの伝送プロトコルであるSOAPを使った通信も高速になった。WASは,SOAP処理機能のベースとして,オープン・ソースの「Apache AXIS」を利用しているが,5.0.2では,さらにApache AXISをチューニングし,高速にSOAP通信できるようにした。また,WebサービスをJ2EEに組み込みやすくするための仕様であるJSR109(Web Services for J2EE)や,Webサービスのセキュリティ仕様であるWS-Securityもサポートした。

 自律的な負荷分散機能も強化している。処理負荷が高くないサーバー・マシンに優先的に処理を割り振る仕組みを備えた。具体的には,EJB(Enterprise JavaBeans)コンテナが複数のサーバー・マシンで稼働しているときに,どのサーバーにどのような配分で処理を振り分けるかという値を,サーバーのCPUやメモリーの使用率などに応じて自動的に変更できるようになった。従来バージョンでは,あらかじめ設定した値に基づいて処理を振り分けることしかできなかった。

 価格は,WAS5.0.2が135万円。稼働OSは,Windows 2003/2000/NT4.0,Linux,AIX,hp ux11i,Solaris8/9など。製品出荷と同時に,WASの従来バージョン(3.0/3.5)からの移行支援に加え,日本BEAシステムズのWebアプリケーション・サーバーである「WebLogic Server V5.1/6.1」からの移行を促進するサービスも開始した。(H.J.)