米ジュニパー・ネットワークスは米国時間の10月15日,現在のインターネットに代わる次世代公衆ネットワーク「インフラネット」という構想を明らかにした。10月11~18日にスイスのジュネーブで開催された展示会「ITU WORLD TELECOM 2003」で発表したもの。インフラネットは,専用網のようにセキュリティ,性能,信頼性に優れ,インターネットと同様の接続性を持つ公衆ネットワーク。その実現に向けて,ジュニパーが業界に協力を呼びかけた。

 ジュニパーによれば,現状のインターネットは,あらゆるモノへの接続性は得られるものの,パフォーマンスの不安定さ,信頼性の低さ,セキュリティの欠如が問題になり,企業や一般消費者のニーズを満たしきれないという。そこで,新たなインフラとなる公衆ネットワークの構想を打ち出した。

 インフラネットでは,まず,ユーザー(厳密にはユーザーが使うアプリケーション)が必要な帯域幅や信頼性,セキュリティをネットワークに要求。ネットワーク側では,その要求に合わせて,ネットワーク・リソースやセキュリティを確保する。通信経路が複数の通信事業者(サービス・プロバイダ)をまたがっても,エンド・ツー・エンドでリソースを確保できる。

 実際には,すでにあるインターネット技術を組み合わせれば,現状のインターネットでもある程度はインフラネットに近い仕組みは実現できる。例えばRSVP(リソース予約プロトコル)のようなシグナリング・プロトコルを使えば,ネットワーク・リソースの確保は可能。MPLS(マルチプロトコル・ラベル・スイッチング)やIPSec(IPセキュリティ・プロトコル)のような技術を使えば,VPN(仮想プライベート・ネットワーク)も構築できる。

 ただ,ユーザーから通信事業者に対して,性能からセキュリティ・レベルまでを要求できる技術はない。また,インターネットのように複数の事業者が提供するネットワークを経由する場合,事業者によってネットワークの構成や運用ポリシーが異なるため,エンド・ツー・エンドで帯域や信頼性を確保することは難しい。

 こうした背景で,ジュニパーは,ネットワーク機器ベンダーや通信事業者に対して,インフラネットとそのための技術開発,ベンダーや通信事業者の協調の必要性を訴えた。これに対し,米ルーセント・テクノロジーズがインフラネット構想への賛同を表明している。
(Y.K.)