ソフトバンクBB日本オラクルは10月31日,ユーティリティ・コンピューティング・サービスのシステムを共同で構築すると発表した。ユーティリティ・コンピューティングとは,ネットワーク経由でユーザーにシステム資源を提供し,その使用量に応じて課金するという考え方。コンピュータの処理能力やデータなどを,電気やガスのように必要なときに必要なだけ使えるようになるため,利便性が大幅に増すとして期待されている。

 具体的には今後,次のような取り組みを進めていくという。まず,ソフトバンクBBはサービス基盤となっている運用管理や顧客課金管理などをOracle 10gで構築し,運用コストの削減を目指す。従来は,Oracle9iやオープン・ソース・データベースなどさまざまなデータベースが混在していたが,今後は一部を除きオラクルが2004年1月に出荷するOracle 10gに集約する。削減できるコスト規模は現段階では試算中。

 続いて,ソフトバンクBBは,Yahoo! BBのIPネットワーク内にOracle 10gによる分散並列化データベースを構築し,Yahoo! BBの個人会員向けにアプリケーションやコンテンツをオンデマンド形式で提供する。さらに法人会員向けには,システム資源をオンデマンド形式で貸し出すサービスを提供する予定。例えば,企業内のディスク領域を拡張するオンライン・ストレージ・サービスや,写真・映像などを保存するディジタル・アーカイブ・サービスなどを想定する。

 また,Yahoo! BBとOracle 10gを利用したコンテンツやアプリケーションの提供支援サービスも実施する。既に,ドクターネット(本社・宇都宮市)が提供する遠隔読影サービス(医療写真を遠隔地の診断医が検査する)の構築支援を手がけているという。将来的には,企業などが全国の支社などに持つデータベースをYahoo! BBを通じて連携させる「データ・グリッド構築支援サービス」なども視野に入れる。

 10月中旬には両社が共同で「ユーティリティ・コンピューティング推進室」を設置した。それぞれ10人ずつ,計20人の体制でプロジェクトの計画などを進める。11月20日には,東京・品川でイベントを開催し,戦略提携の詳細を発表する予定。(H.J.)