シスコシステムズは,WIDEプロジェクト,ベンチャー企業のパワープレイと共同で,無線ICタグ技術の研究開発を進める米オートIDラボの無線ICタグ技術を使った入退室管理のデモを実施した。10月29日から31日に開催したプライベート・イベント「NETWORKERS2003」で,来場者に無線ICタグを張り付けたネーム・タグを配布。入退室のチェック,個々の受講予定セミナーの案内などを実現した。オートID方式の無線ICタグを使った入退室管理の実証実験は初めてだという。

 無線ICタグは,ユニークなIDを記録した非接触型のIC。さまざまなモノに埋め込むことで,物流の管理などを実現できる。オートIDラボは,そのための仕組みを研究開発する非営利組織で,米マサチューセッツ工科大学を中心に設立された。

 会場には,入退室ゲート型,手かざし型,PDA(携帯情報端末)型の3種類の無線ICタグ・リーダーを設置。手かざし型は,入退室管理のほか,来場者のスケジュール確認のシステムにも利用した。リーダーにネーム・タグ(無線ICタグ)を近付けると,読み取ったIDを使って,来場者の受講スケジュールを管理するサーバー(PMLサーバー:PMLはフィジカル・マークアップ言語)にアクセスし,スケジュールを検索。次に受講する予定のセミナー内容,開催場所,そこまでの経路などをモニター画面に表示する仕組みである。これらのシステムは,パワープレイが開発した。

 WIDEプロジェクトの中村 修氏(慶応義塾大学環境情報学部助教授)は,「多くのユーザーが,多くのリーダーを利用する環境で,PMLサーバーに発生するトランザクションの特性などを検証したかった」という。こうした検証を通じて,ユビキタス環境の実現に向けて,いかにPMLサーバーを大規模システムに適応させるかのヒントを得たい考えである。
(Y.K.)