新しいアプローチでインターネットVPN(仮想プライベート・ネットワーク)サービスを提供する新会社が登場した。米コアエクスプレス(CoreExpress)である。Networld+Interop開催に合わせて正式に設立された。同社のサービスは,ISPのインターネット・バックボーンを利用してVPNを実現するサービス。暗号装置などのVPN機器は使わない。最大の特徴は,複数のISPを経由する状態でエンド・エンドのネットワーク品質を保証する点だ。正式なサービス開始は2000年10月。9月に米国アトランタ市で開催されるNetworld+Interop Fallではデモを実施するとしている。また,順次米国以外にもサービスを展開する計画である。

インターネットVPNを実現する場合,ユーザーが自らVPN機器を導入して構築する方法と,1つのISPのバックボーン・ネットワークだけを使うことを前提としたVPNサービスを利用する方法がある。自営の場合,複数のISPを経由するとネットワーク性能は必ずしも安定しない。これがインターネットVPN採用の足かせの1つになっている。ISPのVPNサービスを利用する場合は,ISPがSLA(サービス・レベル契約)を提供していれば,安定したネットワーク性能を期待できるものの,ISPを1社に限定しなければならない問題がある。コアエクスプレスのサービスを使えば,これらの問題点を解決できる。

コアエクスプレスは,独自の光ファイバ・ネットワークを持ち,パートナ契約を結んだISPと相互接続する。複数のISPの間をバイパスする形態で,トンネリングとQoS(サービス品質)制御などを実行してVPNサービスを実現する。各ISPに代わって同社がエンド・エンドの品質を保証する。ユーザー・サイトと同社のバックボーン・ネットワーク上にパフォーマンス監視システムを設置し,常時ネットワーク品質を監視する。監視結果はコアエクスプレスのデータセンターに集約し,各ユーザー向けにWeb上でリアルタイムに情報を提供する。

ただし,サービスを販売するのはあくまでもコアエクスプレスのパートナであるISP。料金もそれぞれのISPが決め,ユーザーにはISPのプレミアム・サービスとして見せるため,ユーザーから見ると,従来のインターネット接続環境と何も変わらない。契約時に指定した相手との通信トラフィックだけがコアエクスプレスのネットワークを介して中継されるが,ユーザーがネットワークの構成を意識する必要はない。 (Y.K.)