プロバイダー事業やドメイン登録事業を手がけるインターキューは1月30日,自社のインターネット広告配信システムを他のプロバイダーに無償で提供すると発表した。このシステムは,ネットビジネス関連の草分けで1997年12月に倒産したハイパーネットの技術を基に,インターキューが開発を進めているもの。システムは2001年第3四半期にリリースする予定で,サービス開始後1年で1000万人のユーザー獲得を目指す。

 このサービスを使って,ユーザーがインターネットに接続すると,ブラウザーの横に広告を表示するためのウィンドウを起動する。ウィンドウは,バナー広告を表示する縦型,横型,CM動画表示用のテレビ型の3種類がある。このウィンドウを起動するプログラムはJavaで開発しているため,ユーザーが新たなソフトウエアをインストールする必要はない。登録時のアンケートにより,プロバイダーはユーザーのプロフィールに合った広告を配信することができる。

 プロバイダーはこのサービスで広告収入を見込める。インターキューはプロバイダーから広告収入の一部を手数料として受け取る。このシステムで配信する広告枠の販売は,メディアレップドットコム(東京都港区)が担当する。「Webサイトに貼り付けるバナー広告と違い,ユーザーが他のサイトに移動しても,プロバイダーが広告収入を得ることができる」とインターキューの熊谷正寿社長はプロバイダーのメリットを強調する。

 このシステムのベースとなる技術は,ハイパーネットが「ハイパーシステム」との名称で開発したもの。1999年12月に,インターキューがハイパーシステム関連の全特許を買い取り,ハイパーネットの社長だった板倉雄一郎氏を顧問に招いた経緯がある。2000年5月には米国の無料プロバイダー,ネットゼロにハイパーシステムをライセンス供与している。

 板倉氏は「以前ハイパーシステムを運営していたころと比べ,市場環境が大きく変化した。まずインターネットのユーザー数が絶対的に増加し,企業の広告予算も格段に増えている」と自信を示す。

(太田 憲一郎=日経ネットビジネス編集)