2001年3月23日,ヤフーが東京・原宿にインターネットカフェ「Yahoo! Cafe」をオープンした。ヤフーにとって世界初のリアル店舗となる。ユーザーは会員登録をするだけで,光ファイバー,ADSL,ケーブルテレビインターネットなどのブロードバンド回線を無料で利用できる。カフェは2階建てで,延べ床面積は135平方メートル。店内には,パソコンが30台設置され,スターバックスコーヒーの店舗とマツダのショールームを併設している。
ヤフーの社長室市川公一広報・宣伝チームリーダーは「原宿を選択したのは,情報に敏感な10代後半から30代前半までの層が集まる場所だからだ。現在は携帯端末からネットに接続している若者に,ブロードバンド回線の快適さと,ヤフーというブランドを知ってもらいたい」と出店の狙いを語る。収益は20社に上る協賛企業の参加料や,各種イベントなどへのスペースの賃貸料を見込んでいる。「ここで収益を上げようとは考えていないので,赤字にならなければよい」と,あくまでヤフーの広告宣伝の一環として位置付けている。
協賛企業各社は,ユーザーに無料でサービスを提供する一方で,ヤフーには「Yahoo! Cafe」への“参加料”を支払っている。例えば通信系に限っても,光ファイバーはアイ・ピー・レボルーション(東京都港区)と有線ブロードネットワークス(東京都千代田区),ADSLはアッカ・ネットワークス(東京都千代田区)と東京めたりっく通信(東京都中央区),ケーブルテレビインターネットは東急ケーブルテレビジョン(横浜市)が提供している。各社とも「Yahoo! Cafe」を,自社の商品を知ってもらうためのショールームとして位置づけているようだ。東京めたりっく通信は「他社のサービスとの比較をしてもらえる場であり,プロモーションスペースとして有効だと考えている」(同社広報室)という。