NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は2001年6月11日から,Web上のサーバーにデータを保存するスペースを設け,ユーザーが利用できるようにするオンラインストレージサービス「ShareStage」(http://www.sharestage.com/)を開始する。インターネット経由で通じて個人のファイルやブックマークを保存できるほか,特定のグループでこれらを共有することもできる。料金は50Mバイトまで無料,これを越える場合50Mバイト毎に月額390円を徴収する。今後,携帯電話から接続する機能やグループで共有できるカレンダー機能も追加していく。3年後までに200万人の会員と,売り上げ15億円を目指す。

 こうしたオンラインストレージサービスは,場所を選ばず同一のファイルにアクセスできるなど便宜性が高く,ブロードバンドやモバイル環境が整備されると共に需要が高まると予想される。そのためこの事業に参入する企業が相次いでいる。例えば,ソニー系のウェブポケット(東京都品川区)が2000年9月,NTT-ME(東京都千代田区)が同年11月にサービスを開始。今年に入り,ジャストシステムが2月,インターネットイニシアチブ(東京都千代田区)が5月に参入している。
 
 ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)で,他の企業向けにストレージサービスを提供する企業も登場している。ニフティが5月から,会員を対象に開始したオンラインストレージサービス「WebPocket」は,ウェブポケットのASPサービスを利用して運営している。NTTコムも,一般ユーザー事業と並行して,接続プロバイダーやポータルサイトを運営する企業と提携してASPサービスを提供していく。

 米国企業も日本市場に狙いを定めている。エックスドライブ・ジャパン(東京都中央区)は,企業向けのASPサービス「X Drive Enterprise」を5月24日から開始した。同社は,米オンラインストレージ大手のエックスドライブテクノロジーズ社と,ソフトバンクグループによる合弁会社。現在大手接続プロバイダーや携帯電話会社数社と話し合いを進めており,6月中には契約先が決まる見通しだ。米国では直接一般ユーザー向けにサービスを提供しているが,「まだサービス自体の認知度が低い日本では,プロバイダーのブランドで提供した方がユーザーが集まる」(同社の久保利人部長)という理由で,ASP事業からスタートする。
(小川 弘晃,太田 憲一郎=日経ネットビジネス)