NTT-X(東京都千代田区)は8月1日,同社が運営するポータルサイト「goo」(http://www.goo.ne.jp/)を全面的にリニューアルした。新たな検索エンジンを開発・採用したほか,コンテンツも再編成した。新たな検索エンジンのライセンス販売やコンテンツ再編による広告単価の向上などで,収益構造の改善を狙う。8月1日はポータル最大手のヤフーが,ADSL(非対称デジタル加入者線)サービスの開始を予定した日でもある。NTT-Xの池田茂社長は,「ヤフーのADSLサービスの開始日に,全面リニューアルの日をぶつけた。しかし,ヤフーがサービス開始を延期してしまったため,単独でのスタートとなってしまった」と,皮肉を交えながらヤフーへの対抗意識をあらわにした。

 NTT-X gooカンパニーの塚本良江カンパニー長は,「ネット広告市場の低迷は深刻だ。gooの収益は現在8割以上が広告収入に頼っている。新たな収益源の開拓と高付加価値の広告・マーケティング商品の開発が急務だ」と語る。NTT-Xは今回のリニューアルを,こうした収益構造の改革の第一歩と位置づけている。池田社長は「第一世代のインターネットはそろそろ限界。gooはヤフーとは異なる手法で,ブロードバンド時代の新たなメディア事業を推進していく」と語る。

 同社は今回,従来gooが採用してきたインターネットを自動巡回してサイトの情報を集める「ロボット型検索エンジン」と,ヤフーが採用している人手によりサイトの情報を分類する「ディレクトリ型検索エンジン」の両方の特徴を併せ持つ,「ハイブリッド型検索エンジン」を新たに開発した。今後,この検索エンジンを,企業向けのソリューション事業に活用していく方針だ。例えば,企業内システム向けのライセンス販売や,他社のWebサイト向けにASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)として提供するなど,新たな収益源に育てていく。

 さらに,gooで提供しているコンテンツを29ジャンルから20ジャンルに再編した。従来はバナー広告主のニーズに応じた,ターゲットを絞った広告配信が十分にできていなかった。今回の再編では,「ユーザーの利便性を考慮しつつ,広告主がターゲットを絞りやすいように配慮した」(塚本カンパニー長)。各ジャンルでは今後,スポンサー付きのコミュニティーを展開してマーケティングデータの収集をしたり,動画広告などを展開して広告単価を上げるなどの工夫をしていく。