ベンチャー企業のイージャパン(東京都新宿区,http://www.ejapaninc.com/)は,ポータルサイトなどの大規模Webサイト向けの構築システム「PortalManager」の販売を開始した。既にNTTコミュニケーションズの「J-POP 追いかけネット」(http://www.oikake.net/)やNTT-Xの「エンターテイメントGOO」(http://e.goo.ne.jp/)などが導入しており,それを今回,パッケージ製品として販売する。

 PortalManagerの大きな特徴は2つある。1つはコンテンツをWebページ単位でなく,ニュースやアクセスランキング,アンケートの入力画面,掲示板といったモジュールに分けて作成・管理する点。これによって,表示したいコンテンツをユーザーが自由にレイアウトできるパーソナライズ機能などが実現しやすくなる。これらのコンテンツは,HTMLではなくすべてXML(eXtensible Markup Language)形式で記述し,データベースで管理している。

 画面表示には,Webページなどのレイアウトを指定するための規格である「XSLT」(eXtensible Stylesheet Language Transformations)を利用する。この方式のメリットは,Webページのほか,iモードなどの携帯電話やPDA(携帯情報端末)向けサイトを作る際,各デバイス向けのレイアウトを記したXSLTを用意するだけで済む点。つまり,1度コンテンツを作成してしまえば,画面サイズなどが異なる個々の端末に合わせてコンテンツを作り直す手間が省けるというわけだ。さらにニュースなどのコンテンツを他社のWebサイト向けにOEMで供給する場合も,相手先のWebサイトのレイアウトをXSLTで記述するだけで実現できる。

 もう1つの特徴は,大規模なアクセスに耐えられる「オンメモリーソリューション」機能だ。通常,パーソナライズ機能を提供すると,個人の名前や好みなどを格納してある顧客データベースとのやり取りが頻繁になる。その結果,データベースのあるサーバー内のハードディスクへのアクセスが増え,システム全体の処理スピードが落ちるという弊害が起こる。そこでPortalManagerは,ハードディスクよりも高速に処理できるサーバーのメモリー上に独自のデータベースを構築することで,システム全体の処理性能を高めた。また,個人のプロフィール情報やアクセスランキング,アンケートなど,コンテンツごとにメモリー上のデータベースで処理するかどうかも選べる。「PCサーバーが2台あれば,1日100万ページビューのサイトを運営できる」とイージャパンの大内範行社長は語る。

 システムの動作環境は,サーバーOSとしてWindows 2000,データベース管理システムとしてSQL Server 2000が必要。価格はXMLの管理システムが650万円,オンメモリーソリューションが350万円。すべて導入すると2500万~3000万円程度になる。「同じシステムをUNIXベースで組むと,ハードとソフトを合わせて約2億円かかる。PortalManagerをベースにすれば,6000万~7000万円程度と半分以下で済む」(大内社長)。イージャパンでは2001年中に7億円,2005年に100億円の売り上げを見込む。
(永井 学=日経ネットビジネス)