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 日本音楽著作権協会(JASRAC)は10月19日、音楽データの不正利用を防ぐための電子透かしの普及を目指した技術選定作業「STEP2001」が完了したと発表した。音楽データ用の電子透かしについて、あらかじめ実用に耐える技術水準を策定し、2001年6月29日から9月下旬にかけて国内外10社の評価実験を実施。その結果を基に、JASRACが定めた技術水準をクリアした4社を認定した。今後JASRACは、STEP2001の結果をベースに、音楽電子透かしの国際的なガイドラインの策定を目指す。

 JASRACは「利用可能な技術水準」をクリアした企業として、米IBM社と米ベランス社の2社を選定。これら2社には劣るが、今後技術水準のクリアが見込まれる企業として、日本のエム研(東京都渋谷区)と韓国のマークエニー社を認定した。音楽利用のための処理を経ても挿入した透かしデータが抽出できることや、透かしデータを挿入した音楽データをスタジオで専門家が視聴しても電子透かしの挿入を認知できない、など21項目について検証した。

 STEP2001は、2000年に実施したSTEP2000に続く2回目の実験となる。JASRACは今回のSTEP2001を通して、音楽電子透かしは技術面では実用段階に入ったと判断し、来年は以降は実験を取りやめる方針である。「前回と比べると、電子透かしの技術は大きく進歩した。特に音質面での改善が目覚ましい。今後は技術面の検証よりも、実際の普及に向けた取り組みが重要になる」とJASRACは加藤衛常務理事は語る。今後、着メロや音楽配信などで電子透かし技術を音楽データに挿入する事業者に対して、著作物使用料の割り引きなどの優遇措置を適用し、普及を進めていく考えだ。

(永井 学=日経ネットビジネス)