国内最大級の住宅検索サイトであるリクルートの「ISIZE住宅情報」が、リニューアルから約1カ月を迎えた。同サイトの富加見順編集長は、「目立つ改善ではないが、使い勝手を見直すことで資料請求が1.5倍になった」と思わぬ効果に顔をほころばせる。

――リニューアルの効果はどうですか?
 9月26日、首都圏のページを先行してリニューアルしました。現在10月分のデータを集計しているところなんですが、月間総ページビューは2000万強で、9月の1.5倍に達しました。資料請求数も1.5倍に増えています。

 最近あるモデルルームで訪問者にアンケートしたところ、約半数の人が「ISIZEで見てきた」と答えてくれました。ある程度のリニューアル効果は予想していましたが、ここまで反響があるとは思いもしませんでした。

――リニューアルの狙いは?
 当たり前のことかもしれませんが、原点に立ち戻り、家探しに一番役に立つサイトになろう、と考えました。物件数や資料請求数は結果でしかありません。実際のところ、掲載物件数が増えるにつれて探しづらくなっていましたので、使い勝手の改善は緊急の課題でした。

 まず手を付けたのがナビゲーションです。以前のトップページには、首都圏、関西といった地域ごとに「買う」「借りる」「建てる」といった目的別リンクがあったのですが、項目が多く、1ページの表示が長くなりすぎて不便でした。そこで、検索手順は1ステップ増えることになりますが、トップの地図から誘導するようにして、コンパクトな画面に作り替えました。

 次がコンテンツの充実です。項目によっては文字数を2倍、間取り図や外観などの画像も3倍に増やしました。さらに、物件の詳細情報ページをA4用紙1枚にぴったりプリントアウトできるようにして、そのまま現地へ持っていけるようにしたほか、データベースの処理速度も向上させました。

 実はコンテンツを増やすことについては不安もありました。以前、関西版サイト単独のリニューアルを実施したとき、コンテンツを増やしたら資料請求件数が減少したからです。ところが、今回は逆に増えています。やはり件数ばかりでなく、画像を増やすなど「物件を見てみたい」という気持ちにさせるだけの情報が必要ですね。

 住宅サイトのナンバー1を自負してきた我々ですが、ヤフーが同分野に参入するなど、ライバルが増えてきました。こうした地道なサイトの改善を積み重ねることで、他のサイトへ分散しつつあった客足を、もう一度呼び戻せるのではないでしょうか。

――もう雑誌はいらないのでは?
 いえ。Webだけにビジネスを特化させるつもりはさらさらありません。雑誌は検索性や速報性の面ではWebにかないませんが、手間をかければより感情に訴える誌面作りができます。これまで、雑誌『住宅情報』では物件情報の多さをウリにしてきましたが、今後は街自体の紹介やライフスタイルの提案など、雑誌ならではの方向性を追及していきたいと思っています。

(聞き手は本間 純=日経ネットビジネス)