NTT-ME(東京都千代田区)とベンチャー企業のシーエヌアイ(東京都港区)は共同で、11月14日から韓国の主要テレビ6局の放送番組を、リアルタイムで日本向けにネット配信する。「GoLMTV」というサービスで、シーエヌアイがコンテンツを、NTT-MEが配信技術をそれぞれ提供する。主な視聴者のターゲットは、ADSL(非対称デジタル加入者線)以上のブロードバンド回線でネット接続している、在日韓国人や韓国語を学習している人。今年度中に5000ユーザーを獲得し、2002年度には1万ユーザー、年間事業規模2億円を目指す。

 「GoLMTV」で配信するのは、韓国の放送局「m-net」、「KBS-1」、「KBS-2」、「PSB」、「iTV」、「YTN」の6局の番組。これらの番組で、韓国の地上放送の8割以上を占める。各局の番組をネット配信する権利は、韓国通信の社内ベンチャー、リリックメディア社が所有する。シーエヌアイはリリックメディア社の日本総代理店で、リリックメディア社がリアルタイムに独自方式でデジタル圧縮した放送番組を、NTT-MEのCDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)を使って配信する仕組みだ。

 NTT-MEは、ブロードバンドコンテンツ配信サービス「WAKWAKキャスト」の1サービスとして「GoLMTV」のコンテンツ利用料を徴収する。利用料はWAKWAK会員の場合、月額1480円で、一般ユーザーは月額1580円。ただし、視聴にはリリックメディア社が開発した、専用の再生ソフト(無料でダウンロード可能)が必要だ。

 放送番組のネット配信は、放送と通信が融合するブロードバンド時代の中心的なサービスとして注目されている。しかし、国内では著作権の権利処理が複雑なため、放送番組のネット配信はほとんど進展していないのが現状だ。従って、海外在住の日本人向けに、同様のサービスを提供することは難しい。

 一方、韓国では既に多くのテレビ局が番組をネット配信しており、GoLMTVでも「著作権関連の処理は、テレビ局が引き受けることで合意している」(シーエヌアイの鈴木修一社長)という。そのため、今回は韓国の放送番組を活用することで、国内でいち早く放送のネット化が可能になった。ただし、これらの局では日本のアニメ番組を放送している場合もある。その場合は、シーエヌアイが別途用意した番組と差し替えてサービスを提供する。

(大竹 剛=日経ネットビジネス)