米マクロメディア社のスティーブン・イーロップ上級副社長が11月中旬に来日し、アニメーションなど動きのあるWebコンテンツを作成するツールとして普及している「Flash」の製品戦略を語った。イーロップ上級副社長は、FlashをHTMLに代わるWebのユーザーインターフェースの中核と位置付け、マイクロソフト社の.NETで提供される「Webサービス」との連携を重視する姿勢を打ち出した。発言の要旨は以下の通り。

 我々の狙いは「マクロメディア・エクスペリエンス」を提供することだ。Flashをインターネット上でのユーザーエクスペリエンスの中核に置いてもらい、様々なサーバーと連携したWebアプリケーションを提供できるようにするのが基本戦略になる。ブロードバンド化の進展で、Webのフロントエンド環境は、よりリッチなものが求められている。機能面では、従来のクライアント/サーバー環境が必要になるだろう。

 将来的には、WebサイトのコンテンツをいちいちHTMLで記述するのではなく、Flashなどで作られた個別の「Webサービス」を組み合わせて作れるようになる。例えば、天気予報は気象情報会社のWebサービスを、ニュースは通信社のWebサービスを活用するといった具合だ。その意味で、マイクロソフトの提唱する「.NET」構想に積極的に参画していくことが重要だ。

 来年に発売するサーバーソフト「ColdFusion」の次期バージョンでも、Flashや.NETとより密接に連携できる機能を盛り込む予定だ。ColdFusionは、Webサイト開発のためのアプリケーション・サーバーの製品群で、もともと米アレイア社が開発・販売していた。マクロメディア社は2001年3月にアレイア社を買収した。これでマクロメディア社はクライアント環境の「Flash」、サーバー環境の「ColdFusion」、開発ツールの「Dreamweaver」や「Director」など、Webサイトの構築に必要な“トライアングル”を整えた。

 現在でも、米ウォルト・ディズニー社と米ピクサー社による新作映画「MONSTERS, INC」のバナー広告で、Flashで作ったバナー広告上のメニューを操作すると、チケット予約サイトと連携して近所の映画館で予約できる、といったサービスが提供されている。こうしたFlashベースのサーバー連動型コンテンツが、今後どんどん増えてくるはすだ。

 さらに携帯電話やPDA(携帯情報端末)、ゲーム機など、Webサービスを受ける環境はパソコンだけでなくマルチクライアント化していく。マクロメディアもFlashのマルチプラットフォーム展開に力を入れている。2001年5月にはソニー・コンピュータエンタテインメントと共同でプレイステーション2にFlashを搭載することで基本合意を得た。NTTドコモやJ-フォンなどの携帯電話各社とも話を進めている。

(永井 学=日経ネットビジネス)