資生堂が子会社のフィスフィア(東京都渋谷区)を通じて、2001年6月25日から展開してきたネット通販事業を12月20日で打ち切ることが判明した。フィスフィアは2000年12月に資生堂がインターネット事業のために設立した。“仮想ブロードバンド”を実現する独自のクライアントソフトを配布し、専門のバイヤーが買い付けた雑貨や衣類など販売するネット上のセレクトショップを運営してきた。

 フィスフィアの売り物は、ブロードバンドネットワークに接続していないユーザーでも、画像をふんだんに使った大容量の電子カタログを長時間ネットに接続することなしにダウンロードできる仕組みを作り上げたこと。ユーザーがネットに接続しているとき、専用のクライアントソフトが回線の空いているタイミングでデータを少しずつダウンロードし、毎月1度カタログの新バージョンとして表示する。ユーザーからは、毎月カタログが決められた日に送られてくるように見える。

 フィスフィアは1億円をかけて専用のシステムを開発していた。今年度中に10万人の会員獲得を目指していたが、サービス開始から5カ月後の会員数は1万人と伸び悩んだ。「予想以上にブロードバンドの浸透が早かった。このまま仮想ブロードバンドのサービスを続けても、“強み”が減少するだけと考えた」と、フィスフィアで事業戦略を担当する山崎直実取締役はサービス終了の理由を語る。会社は存続させ、2002年の春をめどにブロードバンド時代を視野に入れた新事業を立ち上げる予定だという。

(喜田 泰代=日経ネットビジネス)