音楽CD販売大手のHMVジャパン(東京都港区)が、2001年11月にオンラインストアを全面リニューアルした。大型物流倉庫の新設やシステム刷新といったバックオフィスの強化に加え、メールマガジンの充実や検索機能の強化などコンテンツも充実させた。その狙いと成果について、デイビット・テリル取締役E-Commerce本部長に聞いた。

――オンラインストアをリニューアルした狙いは?

 弱点を根本的に見直すのが最大の狙い。ユーザーが快適に買い物を楽しめるようにした。Webサイトのレスポンスを上げるためにシステムを全面的に入れ替えたほか、商品情報を拡充し、検索機能をアップさせるためデータベースを細分化した。
 物流面では、納期を短縮できるよう全体の仕組みを見直した。約10万点の在庫を持つ大型の物流倉庫を新設し、おおよそ24時間以内の発送が可能になった。今回のリニューアルには、合計で2億5000万円以上を投じている。

 さらにEC(電子商取引)が実店舗運営と同じ位置付けであることを明確にするため、大規模な組織改編を行った。従来はオンラインストアを2つの部署で運営していたが、これを顧客サービス、マーケティング、購買、カタログ作成の4つの機能に分けた。その結果、今まで以上にコンテンツを充実させることが可能になった。顧客が登録しているアーティストの新作情報を電子メールで配信する機能を加えたり、メールマガジンの種類も従来より細分化した。

――ユーザーの反応と、今後の見通しは?

 リニューアルから1カ月で、売り上げは前月より20%以上増えた。この勢いは数カ月続くと見ており、控えめに見積もっても月商はリニューアル以前の2倍程度になりそうだ。最近の売り上げは損益分岐点を前後していたが、2002年1月以降は単月で黒字化を達成できる見込みだ。メールマガジンの購読者も急増しており、1日当たり400人の申し込みがある。これはリニューアル前の5倍だ。

――日本では「amazon.co.jp」が存在感を増している。競合サイトとの差別化戦略は?

 25万タイトルの商品データベースに加え、豊富なコンテンツが大きな武器になる。価格面でも、ほとんどの商品で負けていないはずだ。アマゾンが扱う商品を広げていくほど、我々は音楽ソフトのスペシャリストとして強みを発揮できる。これほどのペースで新鮮さを保っているECサイトは同じカテゴリーにはない。強気な言い方かもしれないが、競合サイトはないと思う。
 

(聞き手は瀧本 大輔=日経ネットビジネス)