3月7日、ポータルサイト「excite」を運営するエキサイト(東京都渋谷区)は、同社の株式のうち65.04%を伊藤忠商事が取得したと発表した。

 今回、伊藤忠商事が取得した株式は、エキサイトの筆頭株主であった米エキサイトアットホーム社が保有していたもの。エキサイトアットホーム社が昨年9月に米国連邦破産法第11条適用を申請したため、米国破産裁判所の下でオークションにかけられていた。これを伊藤忠商事が落札した。伊藤忠商事の持ち株比率は19.98%から80.66%となり、「エキサイト」ブランドと同社のテクノロジーの権利も伊藤忠商事に移行した。

 エキサイトは今後ビジネスモデルを転換し、2002年中に広告依存率を昨年の60%から50%に下げる方針だ。具体的には、(1)音楽や映画などエンターテインメント系の有料コンテンツを増やす、(2)次世代携帯電話を意識したモバイル系の有料コンテンツを増やす、(3)エキサイト内のコミュニティー「エキサイトフレンズ」を「BIGLOBE」「ODN」「DION」などの大手プロバイダーに提供する、4)アジア全体でビジネスを展開してロイヤルティー収入を得る――など。

 また、サイトのターゲットユーザーを20~34歳の男女に絞り、他のポータルサイトとの差別化を図る。今までのようなアクセス数ではなく、ユーザーのセグメント化によって、広告主に出稿を促す戦略だ。

 今後のエキサイトの事業方針などについて、山村幸弘代表取締役ゼネラルマネージャーに話を聞いた。

――今回、伊藤忠はエキサイト株をいくらで取得したのか。

 株式、ブランド使用権、テクノロジーの3つを合わせて12億円だ。また3月中に、伊藤忠商事をはじめとした株主から、5億円の増資を受ける。これは、エンターテインメント系キラーコンテンツを製作するための資金となる。

――「excite」のアジア進出について詳しく教えてほしい。

 エキサイトは既にアジアへのアプローチをスタートしている。その際、伊藤忠商事の持っている海外ネットワークが非常に重要だ。今後は「エキサイト香港」「エキサイト台湾」「エキサイトチャイナ」などが設立される可能性もある。コンテンツとしては、「エキサイトフレンズ」や携帯電話用のページのほか、日本のアイドルや漫画を取り扱うものなどが考えられる。

――今後、「excite」はどのように変わるのか。
 ターゲットは20~34歳の男女だ。その中でも「伝統派」と「洗練派」のような2種類のセグメントを意識したコンテンツを用意する。様々なライフスタイルが存在する中で、1つのテーマを取っても、専門サイトとは違った切り口を提供したい。一方で、専門サイトにリンクを張るような方法も平行して行う。イメージとしてはMSNのような感じと思ってほしい。また「excite」のコンテンツは減らす。現在約200のコンテンツがあるが、その中から収益性の低い20%を切り捨てるつもりだ。
 
――トップページも変わるのか。

 2~3カ月後にデザインを変更する。今までトップページは、どれだけデータを軽くするか、というようなことに注力していたが、今後は「質感」を大切にしてターゲットに訴えかけたい。また、色々なページにリンクするトップページというのは、もうやめるつもりだ。

――ターゲットを絞ることでユーザーが減らないか。

 減ると思う。しかし重要なのはアクセス数ではなく売り上げだ。アクセス数が向上すれば勝ち、という構図はもはや崩れている。有料コンテンツを増やして売り上げ増を狙うことが一番の目標だ。
 

(田中 久美子=日経ネットビジネス)