新年度の開始と同時に、ヤフーの「Yahoo!オークション」追撃に向け強化策を表明したディー・エヌ・エー(DeNA、東京都渋谷区)。4月1日の共同記者会見の後、南場智子社長は本誌との単独インタビューに応じ、業績拡大と収益性改善が同時に進みつつあることを強調した。一問一答は以下の通り。

――会社設立から3年が経過した。これまでを評価すると。

 十分に健闘してきたと思っている。米イーベイ社でさえ撤退した厳しいネットオークション競争の中で、2番手の位置を確保することができた。2002年3月期は5億円の売上高を確保できそうで、赤字も大幅に縮小する(2001年3月期は、売上高約1億7500万円で約10億円の最終損を計上している)。

 日本の市場規模なら、2番手につけていれば企業として存続できるはずだ。昨年11月からはキャッシュフローベースで黒字を続けており、今後も生き残っていけるとの確信を抱いている。ネットオークションのユーザーのためにも、我々は消滅するわけにはいかない。選択肢がYahoo!オークションだけになると、さまざまな面で不利益を被るのはユーザーだ。

――具体的な集客強化策は。

 機能の見直しや追加を進めながら、提携しているプロバイダーとの共同キャンペーンを3カ月に1回はやっていきたい。手始めに4月には、チャリティー・キャンペーンを実施する。また、新規登録ユーザー1人につき300円相当のポイントを支払うアフィリエイト・プログラムも開始する。

――将来、ヤフーに追いつけると考えているのか。

 現在は、規模の上では圧倒的な差をつけられているのは事実で、これをすぐに逆転できるわけではない。しかし、規模で負けていても、価格や使い勝手、安全性、信頼性など総合的なサービスの質では、常にヤフーを上回るようにやっていく。ネットオークションはIT(情報技術)が生み出した最先端のビジネスのように見えるが、実際はサービス業の典型だ。愚直にユーザーのことを考え、サービスを改善し続けていくしかない。

――ブロードバンド時代は、システム投資などもかさむ傾向にある。資金繰りに不安はないのか。

 社内に開発部隊を持っており、新たな機能追加にそれほどのコストはかからない。ハードウエアへの投資も、今年は数千万円で済む予定だ。自己資本はまだ十分に残っている。キャッシュフローが黒字基調になったこともあり、資金繰りに全く不安はない。

(聞き手は河野修己=日経ネットビジネス)