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 楽天は5月16日、2002年度第1四半期(1~3月)の決算発表を行った。同社の三木谷浩史社長は、席上で4月1日からモールに導入した売上高に応じた従量課金の影響を公表した。それによると、楽天側が設定した移行措置(月額5万円の基本料金が日割計算で返金される)を利用して退店するのは、152店舗となった。三木谷社長は「従量課金導入による退店数は、思ったより少なかった。説得が難しい店舗もあったが、全般的には受け入れられたと思う」と語った。

 退店する152店舗のうち、月間売上高100万円以下(3月実績)で従量課金の影響を受けない店舗が、136店舗を占めた。100万円超~1000万円以下の店舗は13店舗、1000万円超は3店舗となった。三木谷社長は「月間売上高100万円以下の店舗は、従量課金の影響というよりは、そもそも売れないためにこの機会に退店したのだろう。従量課金導入が退店の動機になっているのは、30~40店舗に過ぎない」と分析する。

 モールやオークションなど、楽天の全EC(電子商取引)事業による4月の流通総額は59.6億円に達した。そのうち、従量課金の対象となる流通総額は26.4億円、平均課金料率は2.6%、従量課金による増収分は約6800万円となった。4月末時点で、今回の新料金体系の対象となる店舗は4437店舗あった。このうち売上高が100万円を超えて従量課金の対象となったのは、955店舗だった。

 楽天は、従量課金導入による収益を元手に、懸案だったシステムの増強に注力する。従来から不満の多かったシステムダウンへの対策や、モール全体をISPやポータルサイトにOEMした場合のトラフィックの急増への対策に、資金を投入する。既に、4月に大型サーバーを試験的に導入しており、6月に「楽天市場」、7月に「楽天オークション」のシステムを入れ替える。

 なお、楽天の2002年度第1四半期の業績は、楽天単体で売上高14.6億円、営業利益3.7億円。直前四半期に比べ、売上高は0.4%増にとどまり、営業利益は17.2%減となった。「従量課金導入の説得に営業スタッフを回したため、営業ができずに広告収入が減少したことが響いた」(三木谷社長)。インフォシークなど含めた連結売上高は19.8億円で、営業利益は4.4億円。それぞれ直前の四半期比で3.5%増、1.1%増となった。

(大竹 剛=日経ネットビジネス)