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 ADSL(非対称デジタル加入者線)事業者のイー・アクセス(東京都港区)と日本テレコムは5月28日、日本テレコムの個人向けADSLサービス「J-DSL」の回線事業を、約55億円でイー・アクセスに営業譲渡すると発表した。イー・アクセスは、日本テレコムが展開する全国842局に設置したADSL設備と、J-DSLユーザーに対するADSL回線の営業権を取得する。

 ADSLサービスはNTTの局舎内にADSL機器を設置して、アクセス回線をユーザーに提供する回線事業と、その上で提供するインターネット接続サービスの部分に分かれる。日本テレコムが譲渡するのはADSLの回線事業で、インターネット接続サービスについては、これまでと同様に「ODN」の1メニューとして提供する。「J-DSL」のブランドも引き続き使用する。

 今回の譲渡により5月末時点でのイー・アクセスの加入数は、元々のユーザー約31万にJ-DSLの21万5000を加えた、52万5000となる見通し。総務省の統計によれば、4月末時点での日本のADSL回線の加入者数は約270万。月間約30万ペースで増加しており、5月末には300万加入の突破も見込まれる。イー・アクセスによれば、4月末時点でのイー・アクセスとJ-DSLのユーザー数を合計すると、約19%のシェアに達するという。

 4月末時点のADSL市場は、NTT東日本が約60万、NTT西日本が約52万7000で、NTTグループのシェアは合計すると4割に達する。約50万ユーザーを抱える「Yahoo BB!」のインフラを受け持つビー・ビー・テクノロジー(東京都中央区)、約40万ユーザーのアッカ・ネットワークス(東京都千代田区)と並び、今回の提携でイー・アクセスの加入数も50万に達する。国内ADSL事業の勢力図は、5社4グループが競う「4強」の形となった。

 日本テレコムは2001年10月に英ボーダフォン・グループの傘下に入って以来、携帯電話事業などに経営資源を集中している。「個人向けADSLサービスの回線事業は、日本テレコムのコア事業ではない。提携先を探していた」と日本テレコムのウィリアム・モロー社長は語る。日本テレコムは2001年9月にイー・アクセスに40億円を出資し、約20%を出資する筆頭株主となっている。

(永井 学=日経ネットビジネス)