韓国最大の電子モールを運営するインターパーク社が、4月に日本市場に参入した。同社にとって初の海外進出である。イ・ギヒョン社長は、将来は日韓中で3国間ECを展開する構想を描いている。

 インターパーク社は1996年設立の代表的なネットベンチャーで、韓国初の電子モール「INTERPARK」を運営している。2001年11月に日本法人のインターパークジャパン(東京都千代田区)を設立し、今年4月に日本版のサイト(http://www.interpark.co.jp)を立ち上げた。

――日本の電子モールは、楽天の“一強支配”が続いている。新規参入して成功するのが難しい市場だと思うが、どのような戦略で臨むのか。
 確かに、日本には既に成功した電子モールやEC(電子商取引)企業がある。だから当面は、そうした企業に積極的な攻勢を仕掛けるのは得策ではないと判断した。代わりに、すき間市場を握ろうと考えている。

――アピールしたい特徴は何か。
 価格を“値切れる”モールであることを、ユーザーにアピールしていく(購入画面に価格交渉ボタンがあり、値引額に対する交渉成立の確率が棒グラフで表示される)。まずは家電製品やパソコンを中心に販売を始めており、今後は少しずつ扱う商品を増やす。
 ヤフーの電子モールや楽天は、加盟店が顧客管理や商品の発送まで自社で行うため、サービスの内容や質にもばらつきが出る。だから(自社で商品を仕入れてユーザーに販売する)インターパークは、高水準なサービスを均質に提供する、百貨店のような高級モールを目指す。日本で2002年中に30万人のユーザー数を確保し、10億円の売り上げを目指す。

――韓国ではトップ企業でも、日本ではユーザーに知られていないが。
 主にバナー広告を展開して認知度を高めている。4月から、バナー広告を見て来店したユーザーや会員登録してくれたユーザーには、価格を割り引くキャンペーンを展開している。韓国とはユーザーの好みだけでなく、マーケティングや顧客対応の手法も異なる。こうした違いを克服すれば、シェアを伸ばせるはずだ。

――日本以外の地域にも進出する計画はあるか。
 中国に既に現地法人を設立しており、市場調査や業務提携を進めている。長期的な目標は、3カ国をネットワーク化して結ぶことだ。米国や欧州のように異なる文化圏に進出するよりも、アジア圏をネットワーク化する方がビジネスとして期待できる。

――具体的なビジネスのイメージは、どんなものか。
 3カ国で電子モールを運営して、商品を互いに流通させる仕組みを作りたい。自社で扱う荷物の量が増えれば、製造業者が別の国のユーザーに低コストで商品を発送できる。そうなれば、インターパークが他社の物流を請け負うなど、ビジネス面でのメリットも出てくる。

――韓国では赤字が続いているが、黒字化する見込みはあるか。
 2001年は120億ウォン(約12億円)の赤字だったが、2002年は黒字化する。赤字だったのは、テレビでのプロモーションやシステムの構築にコストをかけたからだ。今年は市場の拡大が見込めるうえ、ビジネスの拡大も進めようと考えている転機の年だ。企業買収や提携も、積極的に進めていきたい。
 

(聞き手は瀧本 大輔=日経ネットビジネス)

■企業プロフィール
設立:1996年6月 資本金:176億ウォン(約17億6000万円) 従業員数:192人(2002年1月現在) 事業概要:韓国最大の電子モール。日本では、家電やパソコン、ブランド品を中心に販売している。