期日が迫っている旅行や興行チケットなどの“間際(まぎわ)商品”を値引き販売する英国のEC(電子商取引)サイト「ラストミニット・ドット・コム」( http://www.lastminute.co.jp/ )が、2002年6月25日に日本市場向けサービスを開始した。日本法人であるラストミニット・ドット・コム(東京都千代田区)の長澤弘二社長に、今後の事業展開について尋ねた。

――旅行商品がメインのECサイトとしては後発だが、ラストミニットの優位性はどこにあるのか。

 重要なのは、期日が迫っていても買える利便性だ。特に旅行商品は、申し込みの“間際化”が進んでおり、我々にとって追い風になっている。例えば、出発1カ月前に旅行を申し込む人の割合は、2001年の18%から今年は25~30%に高まっている。この流れは今後も止まらないはずだ。
 商品によっては、価格の安さもメリットとして打ち出す。例えば、ブランド食器などのギフト商品がそうだ。誕生日や記念日の直前でも確実に購入できるように、在庫がある商品だけを選んで販売する工夫もしている。
 
――商品の仕入先や出資元の旅行代理店とは、ネット販売で競合しないのか。

 近畿日本ツーリストや日本旅行から出資を受けており、旅行商品は主に両社から仕入れている。ラストミニットは“間際”という時間軸で商品を販売しているので、出資元とは必ずしも競合しない。顧客の支持を得るために、出資元には遠慮せず事業展開を進めたい。別の大手旅行代理店(JTB)も、Webサイトを通じて間際商品の販売を始めたが、商品の性質が異なるため(JTBは国内宿泊のみ)あまり心配していない。

――海外の「ラストミニット」との連携はどう進めていくのか。

 英国発の「ラストミニット」というグローバルブランドでありながら、運営戦略は日本市場向けに独自に進めている。日本で成功するためには、日本人のライフスタイルに合った商品や企画を提案していく必要があるからだ。海外のラストミニットとは、今のところ商品の相互供給は行っていない。宿泊については、年内の早い時期に日本と海外のシステムを接続して、日本のWebサイトから直接、欧州を中心に4000軒のホテルが予約できるようにする。

――事業に関する今後の見通しは。

 会員数は日本だけで既に4万人に達しており、2003年3月までに15万人、2005年に30万人を目指す。アクティブユーザーの比率を高めることができれば、2005年の時点で黒字転換できる見通しだ。これだけの会員がいれば、商品を供給する企業もバーゲニングパワーとして無視できない。各種の規制や業界ルールを打ち壊すための、原動力になると思う。今後も間際商品を中心に拡充していき、ここで売っていなければ諦めてもらうくらいのECサイトにしたい。

(聞き手は瀧本 大輔=日経ネットビジネス)