ネット広告代理店のデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)とサイバーウィング(東京都港区)、動画配信サービスを手がけるJストリーム(東京都港区)の3社は8月下旬から、テレビコマーシャルをインターネットで配信するサービス「マルチバンドCM」を始める。既に、電通やネット広告代理店のサイバー・コミュニケーションズ、動画配信システムを開発するアゼスト(東京都千代田区)も共同で6月から、テレビCMのネット配信サービス「e-CM」を開始している。テレビCMのネット配信が、普及に向け動き始めた。

 マルチバンドCMは、Webページ内の特定の枠内で、インターネット配信用に変換されたテレビCMの映像と音声を、“ストリーミング”で配信するサービスである。ストリームミングとは、データのダウンロードと同時に自動的に再生が始まる仕組みで、ユーザーがマルチバンドCM対応のWebページにアクセスすると同時にテレビCMの再生も始まる。

 ユーザーがアクセスしている回線の速度や、広告を再生するプラグインソフトを自動的に識別し、それぞれに適したデータ形式で配信する。そのため、ADSLなどブロードバンド回線で接続していないユーザーでも視聴可能で、「OCN」や「So-net」、「BIGLOBE」、「@nifty」、「hi-ho」のプロバイダー5社のほか、「テレビ朝日 on THE WEB」などのサイトに配信する。対応するプラグインソフトは、マイクロソフトの「Windows Media Player」とリアルオーディオの「Real Player」で、配信する動画のサイズは160×120ドット(S)、240×180ドット(M)、320×240ドット(L)の3種類を用意した。動画のデータ伝送速度は、Sの場合で最大100kビット/秒、MとLは最大300kビット/秒まで。

 広告料金は、15秒のCMを160×120ドットで配信する場合で、配信1回につき8円程度。広告主の獲得やネット配信にまつわる権利処理は、DACの出資広告代理店である博報堂やアサツーディ・ケイ、読売広告社、アイアンドエス・ビービーディーオー、大広、日本経済社が担当する。著作権などの権利情報などの管理システムは、電通と博報堂が推進する「アドミッション」を採用する。DACとサイバーウィングは、サービスの開発・運営、掲載との獲得を行い、配信システムの運営はJストリームが担当する。

(大竹 剛=日経ネットビジネス)