KDDIは自社の携帯電話サービス「au」に,高速なデータ通信専用方式「1xEV-DO」を,2003年半ばに導入する。1xEV-DO方式は平均伝送速度が600kb/s,最大伝送速度が2.4Mb/sという高速性が売り物である。しかしKDDIが1xEV-DO方式を導入する最大の狙いは,パケット通信料金を大幅に引き下げることだ。現時点で目標にしている料金水準は不明だが,2000年の時点では現行サービスの100分の1まで引き下げる方針を打ち出していた。
KDDIの小野寺正社長は1xEV-DO方式によるサービスの料金について,「PHSのような月額固定の料金体系は困難だが,料金をあまり気にせずに動画コンテンツを利用できる水準にしたい」という。1xEV-DO方式によるサービスで料金を引き下げられる理由の一つは,システムの設備投資が少なくて済むことだ。「投資額は明らかにできないが,2002年4月に導入する1x対応の無線設備を併用するため,1xEV-DO方式のシステムを追加するのにかかる投資額は,従来の設備投資に比べるとかなり少なくて済む」という(詳細は日経ニューメディア2002年3月25日号に掲載)。