迷走の末,NHKと地上波民放事業者,総務省で組織する「全国地上デジタル放送推進協議会」が2002年7月19日に発表した「アナログ放送用周波数変更対策費」は,約1800億円となった。全国協議会は2001年11月に,「当初見積もっていた727億円では済まず,2000億円を超える」と発表し,その後費用を圧縮するために対策の見直しを進めていた。最終的に対策費の総額は2000億円以上から1800億円に,対策が必要な世帯数は436万世帯から426万世帯に減った。

 全国協議会による今回の費用算定の結果を受けて総務省は,「1800億円は2009年度までの予算総額」とした。これまで総務省は予算要求を行うのは2006年度までとしていたため,今回の見通しで変更対策の実施期間が3年延びたことになる。変更対策を終えていなければ,その地域でディジタル放送波を出すことができないため,ディジタル放送をほぼ全国で視聴できるようになるのは,2009年度以降ということになる。また変更対策の遅れは,ディジタル放送の本格的な開始時期にも影響を与える(詳細は日経ニューメディア2002年7月29日号に掲載)。

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