「普及検討ワーキンググループ」のメンバーである大手家電メーカーの幹部は,「なぜ総務省にディジタル地上波放送の普及目標を設定しろと言われなければならないのか。普及ペースは本来,市場が決めるものだ」という。同ワーキンググループは,総務省の「ブロードバンド時代における放送の将来像に関する懇談会」が設置した組織で,家電業界と放送業界の関係者で組織する。放送業界の求めに総務省が応じる形で,家電業界を巻き込んで検討が始まった。ディジタル地上波放送の普及目標を,2003年3月末までに作成することが求められている。現在,2011年の完全ディジタル化に向けてできるだけ高い目標を掲げたい放送業界と,高すぎる目標を設定して受信機が供給過剰になることを恐れる家電業界が,設定値を巡って大詰めの調整を行っている。

 そもそも家電メーカーには,総務省の下でこうした議論を行うことに疑問を持つ関係者が少なくない。「家電業界を管轄するのは経済産業省」との意識が強い(詳細は日経ニューメディア2003年2月17日号に掲載)。