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 社内に無線LANを導入するときに気になるのが,電波の届き具合である。アクセス・ポイントを置く場所を考えるのに,「電波が目に見えたら便利なのに」と思うことはよくあるだろう。今回は,そんな場面で役立つ無線LAN設計ツールに焦点を当てる。

 無線LANの電波を可視化するソフトとして最近登場したのが,NECのインターネットシステム研究所が開発した「WLAN Manager」である。WLAN Managerの特徴は,電波の届き具合を可視化してリアルタイムに表示するところにある。しくみはこうだ。まず,フロアのレイアウトや壁の材質,アクセス・ポイントの位置などを記したデータを用意し,そのデータを基に,専用ソフトで電波の強さや到達範囲を解析する。

 WLAN Managerは,アクセス・ポイントの電波強度やチャネル番号情報をIP機器向けの管理用プロトコルであるSNMPで取得し,その時点の情報を解析データに反映させて画面表示する。管理者がアクセス・ポイントの電波強度やチャネルを変えたときに,電波の届かない区域や干渉の起こっている区域をリアルタイムに把握できるわけだ。NECは,2005年中に製品化したい意向である。

 無線LANの電波シミュレーション・ソフトはこれまでもあった。ただ,あくまでもシミュレーションであり,現場の状況をリアルタイムに表示することはできなかった。実際の電波状況を知るには,例えばアイコムの「WA-10」(参考価格:25万円)のような,電波強度やチャネルを測定する専用装置を持って現場に出向く必要があった。WLAN Managerは,このシミュレーションと現地調査の機能を組み合わせたわけだ。

 こうした製品が出てきた背景には,フロア全体でくまなく無線LANを使えるようにしたり,無線LAN上で音声をやりとりするニーズが増えていることがある。こうしたとき,電波の干渉状況や電波が届かない区域があるかどうかといったチェックが欠かせない。

 無線LANの電波状況を手軽に知りたいのは,アクセス・ポイントを一つ置いて運用しているオフィスや家庭でも同じである。ただこうしたケースでは,このような製品は大がかりすぎる。

 そのようなユーザーは,米ターガスの「WiFiスカウト」(2980円)や米ケンジントン・テクノロジの「WiFi Finder Plus」(4680円)といった数千円で入手できる簡易チェッカを活用する手がある。両製品とも,LEDランプの点灯で電波強度を数段階で表示するツールだ。簡易的ではあるが,電波を“見て”無線LANを設計・運用できるわけだ。

半沢 智