ニチメンデータシステムは2000年10月16日,Webアプリケーション向け負荷テスト・ツール「WebLoad 4.0」の出荷を開始した。開発は,米RadView Software。ニチメンデータシステムはWebアプリケーション・サーバーの「SilverStream Application Server」や米F5 Networksの負荷分散装置などを組み合わせたWebアプリケーション構築のソリューションを提供しているが,「特にE-ビジネス系のユーザーでは負荷テスト・ツールのニーズが高いが,既存製品の価格が高額であるため,低価格のWebLoadに目を付けた」(代表取締役社長の由利孝氏)という。価格は,仮想ユーザーが100人で150万円,300人で300万円,500人で400万円などである。ただし,今回出荷したのは英語版のみ。「日本語版は2001年3月までには出荷したい」(アドバンスト システム営業部 アドバンスト システム営業第一課 開発支援ツールチーム リーダー 課長代理の深山隆行氏)考えである。

WebLoadの画面例
WebLoadは,多量の仮想ユーザー・アクセスをシミュレートしてWebアプリケーションに負荷をかけ,レスポンス・タイムといった統計情報をオンライン画面やレポート機能を使って把握するためのツールである(写真)。「コンソール」,「ロード ジェネレータ」,「プローピング クライアント」の3つの機能で構成する。3つの機能は1台のサーバー上で稼働させることもできるが,機能ごとにサーバーを割り当てた方がテスト結果の精度は高まる。稼働OSは,コンソールがWindows95/98/NT 4.0/2000,ロード ジェネレータがWindows NT4.0/2000およびSolaris 2.6以上,プローピング クライアントがWindows95/98/NT 4.0/2000およびSolaris 2.6以上である。

WebLoadの主な特徴は,(1)標準で負荷テストと機能テストを同時に行える,(2)Webに特化した細かなテスト環境を提供する,(3)テストのシナリオ(アジェンダ)をJavaScriptで記述する---の3点である。テストのシナリオはユーザーがコンソールから作成するが,ベースとなる部分は,WebLoadがWWWブラウザ上でユーザーが行った操作をトレースし,JavaScriptとして自動生成してくれる。WebLoadはこのシナリオをロード ジェネレータ上の仮想ユーザーによって実行する。その際,1ユーザー当たりのメモリー消費量は150K~350Kバイトだという。負荷テストを行うと同時に,アプリケーションの機能テストも実施できる。例えば,データベースから検索したデータを表形式にまとめるアプリケーションでは,あらかじめ正しいデータを埋め込んだ表をテスト・シナリオ(JavaScript)の中に定義しておき,検索結果から生成した表のデータと付け合わせるようなことが可能だ。この機能を使えば,Webアプリケーションに高い負荷がかかった時に,機能的な問題が発生していないかを調べることができる。プローピング クライアントは,負荷をかけた状態で1つのクライアントのパフォーマンス・データを収集するための機能である。

WebLoadはWebアプリケーション専用に作られたツールであるため,WWW環境に特化した設定を施したテスト機能を充実させている。例えば,WWWブラウザやDNSのキャッシュの有無や,SSLの暗号化の有無なども指定できる。また,個々の仮想ユーザーに対して個別のIPアドレスを割り当てられるため,IPアドレスを変換するタイプの負荷分散装置に対してもテストが実施できる。

森山 徹=日経オープンシステム