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 トレンドマイクロは2001年10月29日,アンチウイルス,ファイアウオール,IDS(Intrusion Detection System:侵入検知システム)の機能を備えたブロードバンド(高速大容量)・ルーター「Trend Micro GateLock X200」を発表した。xDSLやCATV,FTTHといったブロードバンドを利用し,複数の端末をインターネットに接続している家庭やSOHO向けである。機器を接続するだけで利用でき,導入が容易な点が特徴という。正式出荷は2002年1月以降の予定。価格は,ISP(インターネット接続事業者)がサービスとして提供する場合で月額300円程度(保守・サービス料込み),店頭価格で年間2万5000円程度(同)にしたいとしている。ただし,2001年11月下旬から2002台限定の先行予約販売を受け付け,1万5000円前後で提供する。

 アンチウイルス機能は,通信するパケットを監視し,ウイルスを検知した場合は,あらかじめユーザーが設定しておいた,駆除,削除,放置のいずれかの処置を行う。対応するプロトコルは,SMTP,POP3。HTTPは,一部のWWWメールによる通信のみを監視する。Yahoo! Mail,MSN Hotmail,AOL Mailを使ったWWWメールに対応する。

 ファイアウオール機能は,接続先/送信元IPアドレスやポート番号でパケットの通過・遮断を決定するパケット・フィルタリング方式を採用。パケットの連続性や方向といった通信の状態を監視して制御するステートフル・インスペクション機能も備える。

 IDS機能は,システムやサービスを妨害,停止させるDoS攻撃や,端末で動作しているアプリケーションやサービスを探るポート・スキャンなど21種類の攻撃パターンに対応する。最近,猛威を振るったCodeRedやNimdaも検知可能。

 ウイルスのパターン・ファイルやスキャン・エンジン,IDS機能で防御する攻撃パターンを含むファイアウオールのルール・ファイルを,自動的にアップグレードする機能を備える。マニュアル操作のほか,間隔を指定してスケジュール実行させることが可能。

 機器の仕様は,OSがLinux(カーネルはversion 2.4),CPUが133MHzのRISCプロセッサ,メモリーが32Mバイト。外形寸法は,幅120mm×高さ30mm×奥行き170mm。重さは約275g。ネットワーク・インタフェースはLAN側,WAN側ともに10BASE-T/100BASE-TXを1ポート備える。LAN側では,最大32のIPアドレスを利用できる。動作確認済みの事業者およびサービスは,NTT東日本/西日本のフレッツADSL,イー・アクセスのイー・アクセスADSL,BBテクノロジーのYahoo!BB,アッカ・ネットワークスのACCA ADSL。

(相馬 隆宏=日経オープンシステム)